ドル、利回り、そして金
米ドル指数(DXY)は約0.40%上昇して99.55となりました。米10年債利回りは4bp低下して4.328%となり、金を支えました。 米2年債入札が低調だったことを受け、2年債利回りは3.936%方向に押し上げられました。米輸入物価は2月に前月比1.3%上昇し、1月の0.2%上昇に続き、市場予想の0.5%を上回って2022年3月以来の大幅な伸びとなりました。 市場では2026年の米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待が後退し、4bpの引き締めが織り込まれました。木曜日の主な予定には、3月21日終了週の米新規失業保険申請件数と、クック、ミラン、ジェファーソン、ローガン、バー各氏の講演が含まれていました。 テクニカル面では、金は100日・200日単純移動平均(SMA)のレンジ内で推移しており、200日SMA(4,083ドル)近辺がサポートとなっていました。主な水準は4,592ドル、4,600ドル、4,961ドル、4,500ドル、4,305ドル、4,098ドルでした。金市場に相反する力
市場は現在、二つの方向に引っ張られており、金には緊張感のある局面となっていました。米国とイランの和平協議の可能性は安全資産としての金の位置づけに下押し圧力を与える一方、インフレの粘着性が強い下支えとなっていました。この相反する環境は、今後数週間はボラティリティが主な取引テーマとなる可能性を示唆していました。 根強いインフレが引き続き最大の論点で、2月の米輸入物価は2022年3月以来の大幅上昇となっていました。さらに、2026年2月の最近のCPIデータは予想を上回る3.5%と強めの内容となり、インフレ抑制がなお道半ばとの見方を強めました。その結果、トレーダーは2026年の利下げ見通しを完全に織り込まず、追加引き締めを見込む状況となっていました。 原油価格の急落は緊張緩和への期待と直接結びついており、短期的にリスク選好を改善させ、金地金の上値を抑える要因となっていました。ただし、イランは提案に正式合意していないため、ネガティブな見出し一つで原油と金が急反転する可能性がありました。このため、金の単純なショートポジションの保有は特にリスクが高い状況でした。 2025年を振り返ると、地政学的緊張が後退しても、中央銀行の買いが金価格に下値の厚みを与えるというパターンが見られました。この流れは継続しており、2025年10-12月期には新興国の中央銀行が準備資産を大きく積み増し、押し目買いが入りやすいとの見方を支えていました。こうした過去の動きは、大幅な価格崩落を見込む見方に対して強い反証材料となっていました。 金が主要な100日・200日移動平均のレンジ内で推移していることを踏まえると、横ばい局面の恩恵を受ける戦略に妙味がありました。トレーダーは、想定レンジを概ね4,100~4,600ドルと定め、アイアン・コンドルなどでオプションのボラティリティを売る戦略を検討できました。これらの水準を明確にブレイクした場合は、当該ポジションを解消し、新たなトレンドに追随するシグナルとなりました。 今週は複数のFRB当局者による発言が市場の方向性を左右する重要材料でした。足元のインフレ指標を踏まえると、ドルを押し上げ得るタカ派的なコメントに備える必要がありました。ドル高が進めば、金は直近安値付近の4,305ドル水準を試す展開となる可能性がありました。トレーディングを始めましょう – ここをクリックしてVT Markets口座を開設