要点
- USD/JPYは158.467で推移し、0.085高(0.05%高)。日中高値は158.580でした。
- 円は1ドル=158.5円前後まで下落し、週間で1%超の下落となる見通しでした。
- 市場はFRBが12月に利上げする確率を44%と織り込み、1週間前の22.5%から上昇しました。
- 日本の4月企業物価(卸売物価)は前年比4.9%上昇し、予想の3.0%を上回り、3月の2.9%から伸び率が加速しました。
日本円は金曜に1ドル=158.5円前後まで下落し、週間で1%超の下落となる公算でした。ドル全面高が円に対する下押し圧力を再び強め、年内の米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まったことが背景でした。
USD/JPYは05/15 05:54:53 GMT+3時点で158.467と、0.085高(0.05%高)でした。日中高値は158.580、安値は158.230、始値は158.343、前回終値は158.382でした。
ドルは米インフレ指標と堅調な景気指標に支えられていました。ドルは2カ月超ぶりの大幅な週間上昇となる流れで、市場はFRBが12月に利上げする確率をおよそ44%と織り込み、1週間前の22.5%から上昇しました。同じ報道では、為替介入への警戒が再燃する中、円は1ドル=158.45円近辺に位置付けられていました。
米インフレで金利差拡大観測が再燃
米インフレの強さを受け、為替市場ではドル買いの流れが強まりました。イラン戦争に伴うエネルギーコストの上昇や海運の混乱が物価押し上げ圧力を高める一方、米新規失業保険申請件数は底堅く、小売売上高も強めとなり、米経済がなお金融引き締めを吸収し得ることを示唆していました。
この組み合わせは円に逆風でした。FRBの政策金利見通しが高止まりすれば米金利の魅力が保たれる一方、日本は慎重な政策サイクルを余儀なくされていました。日米金利差が広がるとの見方が強まるほど、押し目でUSD/JPYを買う動きが出やすくなっていました。
円は、4月30日に始まった政府の複数回の為替介入で生じた上昇分のおよそ半分を既に吐き出していました。USD/JPYの戻りは、介入が円安の進行をいったん抑える効果はあるものの、米指標がドルを支え続ける局面では金利差が再び相場を押し上げ得ることを示していました。
市場理解は、より自信を持って取引するための第一歩でした。次回のウェビナーでは、米株価指数の仕組み、市場を動かす要因、初心者が体系的な考え方で取引に取り組む方法を取り上げる予定でした。
原油ショックが日本への圧力を継続
高止まりする原油価格が、もう一段の圧力要因となっていました。日本は輸入エネルギーへの依存度が高く、中東情勢の長期化は輸入コスト増、交易条件の悪化、国内インフレの上振れを通じて円安要因となり得ました。
日本の卸売物価データは、その負担を明確に示していました。4月の企業物価指数(CGPI)は前年比4.9%上昇と、予想の3.0%を上回り、3月の2.9%上昇から伸び率が加速しました。
前月比では卸売物価が2.3%上昇しました。石油・石炭製品は5.3%上昇し、ナフサに連動しやすい化学製品は前年比79.4%上昇しました。円ベースの輸入物価指数は17.5%上昇と、2022年12月以来の大幅な伸びでした。
これらの数字は日銀にとっての難度を高めました。円安とエネルギー高は輸入インフレを直接押し上げ得ました。こうした圧力がより広範な財・サービスに波及すれば、日銀はより早期の引き締めを迫られる可能性が高まりました。
158~160円で介入リスクが再浮上
東京による介入警戒が再び焦点となっていました。日本当局はここ数週間、円安の進行を抑えるために複数回市場に介入したとみられていました。米財務長官スコット・ベッセント氏も、通貨安定化を狙った日本の最近の措置に支持を表明し、ワシントンが東京の対応に反対していないとの見方につながりました。
この支持は市場心理に影響するものの、円高を保証するものではありませんでした。日本には介入頻度の明確な上限はなく、米当局と日々連絡を取り合っていました。また、為替ストラテジストの見解として、単独介入は協調介入より効果が弱いとの指摘もあり、特に米国側が円安を投機だけでなく日銀の利上げの遅さの反映と捉える場合、その傾向が強いとされました。
慎重な見通しとしては、USD/JPYが160円圏に近づくほど介入リスクが高まる、というものでした。東京が再び介入すれば急速な円高が起こる可能性は残りましたが、米金利が低下するか、日銀がより明確な引き締め経路を示さない限り、相場は比較的早く持ち直す可能性がありました。
日銀のタカ派シグナルが強まる
日銀審議委員の増津和幸氏は、景気減速の明確な兆候がなければ金利はできるだけ早期に引き上げるべきだと主張しました。エネルギー起因のインフレが粘着化する中、政策当局への圧力を強める発言でした。
日銀内では、イラン戦争がエネルギーショックを長引かせる場合に利上げが必要となる可能性が既に議論されていました。原油高と円安が重なるリスクシナリオでは、日銀はコアインフレ率が2年連続で3%近辺になると見込んでいました。
これにより利上げ観測は残りました。日本の物価指標の加速が続き、円安がさらに進めば、期待インフレ率が上振れする前に日銀が対応を迫られる可能性がありました。日銀がタカ派に傾けばUSD/JPYの上値余地は限定され得ましたが、市場は積極的に売りに転じるには口先介入以上の材料を求める可能性がありました。
テクニカル分析
USDJPYは160.71の高値から急落した後、反発を試す局面となっており、足元は158.47近辺で推移する中で買い方が短期モメンタムを徐々に取り戻していました。反発は、5月上旬に見られた激しいボラティリティの後、相場が落ち着きを取り戻しつつあることを示唆しましたが、依然として直近高値を下回る水準でした。
テクニカル面では短期の地合いが改善していました。
- MA5:157.91
- MA10:157.46
- MA20:158.22
短期移動平均線は急落後に再び上向き始め、価格は5日線・10日線を回復していました。これは一般にモメンタム回復のサインでしたが、158.20近辺の20日線を巡ってはなお攻防が続いていました。
注目すべき水準は以下の通りでした。
- 目先のサポート:157.50 → 156.40
- 主要サポート:153.90 → 152.08
- レジスタンス:158.80 → 160.70
156円台からの反発は比較的整然としており、月初に見られた急激な巻き戻し局面の後、買い方が上昇モメンタムを着実に再構築している様子でした。市場は次の上値抵抗帯である158.80~159.00円近辺を試す局面となっていました。
この水準を明確に上抜ければ、相場は広い意味での高値160.71の再試しを意識し始める可能性がありました。ただし同水準は、日本政府の為替介入観測がくすぶる中で極めて敏感な領域でもありました。
160円超からの先の急落は、円安が急速に進むと当局がどれほど強硬に反応し得るかを示していました。このリスクは、通貨ペアの持続的な上昇モメンタムを抑制する主要因であり続けました。
ファンダメンタルズ面では、中期的にUSDJPYを下支えする環境が続いていました。米国と日本の金利差は依然として大きく、日銀はFRBと比べて相対的に緩和的な政策スタンスを維持していました。
一方で市場は、介入リスクと米金利見通しの変化をより強く意識し始めていました。米インフレ指標が弱含む、あるいはFRBがハト派的なシグナルを示す場合、ドルが弱含み、USDJPYは再び下押し圧力を受ける可能性がありました。
反発局面の出来高は、急落局面の大陰線時よりも安定しているように見え、現状の動きはモメンタムの本格的なブレイクというより、安定化の色合いが強いと示唆されました。
当面、USDJPYは157.50を上回る限り、短期的には慎重ながら強気のバイアスが維持されましたが、心理的節目である160円近辺では高いボラティリティが続きやすい状況でした。
慎重な見通し
USD/JPYは、158.218および157.906を上回って推移する限り、緩やかな強気バイアスを維持しました。158.580を上抜ければ、米金利が堅調で、FRB利上げリスクの織り込みが続く場合、160.716に向けた再上昇を後押しする可能性がありました。
トレーダーからの質問
なぜ日本円はドルに対して下落しているのですか?
ドル高基調が広がる中、FRBの追加利上げ観測が強まり、USD/JPYを押し上げて円安が進んだからでした。
USD/JPYは日中高値158.580を付けた後も、158.467で推移し、0.085高(0.05%高)でした。円は週間で1%超の下落となる見通しでした。
現在のUSD/JPY水準はいくらですか?
USD/JPYは158.467で推移していました。
日中高値は158.580、安値は158.230、始値は158.343、前回終値は158.382でした。
なぜFRB利上げ観測が円の重しになるのですか?
米金利上昇観測によりドル建て資産の相対的な魅力が高まり、円の弱材料となるからでした。
市場はFRBが12月に利上げする確率を44%と織り込み、1週間前の22.5%から上昇しました。日米金利差の拡大観測がUSD/JPYを下支えしました。
米インフレはUSD/JPYにどう影響していますか?
米インフレの強さがFRBの引き締め継続観測を強め、ドルを押し上げることでUSD/JPYを支えていました。
イラン戦争に伴うエネルギーコスト上昇などを背景に、FRBがよりタカ派的な経路をたどるとの見方が強まりました。低金利通貨である円に対し、ドルの下支え要因となっていました。
なぜ原油高は円の重しになるのですか?
日本は輸入エネルギーへの依存度が高く、原油高で輸入負担が増すため、円の下押し要因となるからでした。
原油が上昇すると輸入額が増え、交易条件が悪化し、インフレ圧力が強まりました。米金利高でドルが支えられる局面では、円安が進みやすい構図でした。
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