要点
- 日経平均株価は前場に4.96%高の56,078.83まで上昇し、チャート全体では56,222.87(+2,280.82、+4.23%)と反発の強さが示されていました。
- 2週間の停戦とホルムズ海峡の一時的な再開が材料視され、アジア株は安心感から買い戻しが進み、原油価格は押し下げられていました。
- 日本の2月の経常収支は3兆9,330億円の黒字と、市場予想の3兆5,490億円を上回り、輸出は2.8%増、輸入は9.7%増でした。
停戦合意の発表を受けて湾岸地域のエネルギー物流を巡る差し迫ったリスクが後退し、投資家がリスク資産に戻ったことで日本株は急伸していました。前場の日経平均株価は4.96%高の56,078.83まで上昇し、チャート表示の56,222.87は反発の強さを示していました。
この動きは、米国とイランがホルムズ海峡の安全通航に関連した2週間の停戦で合意したことを受け、原油が急落した流れを引き継いだものでした。
原油安は日本にとって追い風になりやすかったです。日本はエネルギーの大半を輸入に頼っているため、原油下落は企業収益のマージン圧迫を和らげ、輸入インフレを抑制し、家計支出の重荷も軽くすると受け止められていました。結果として、限定的な反発ではなく、市場全体に広がる上昇を支えていました。
ただ、短期的には原油が高値圏から離れている間は上昇が継続しやすい一方、海運の物流がより明確に正常化するまでは、停戦は「一時的」として扱われやすい状況でした。
輸出株・銀行・半導体関連が上昇を主導
反発は主要な景気敏感株のほぼ全般に波及していました。原油安でマクロ環境が改善するとの見方から輸出関連が買われ、エネルギー起因のスタグフレーション懸念が和らいだことで金融株も堅調でした。先週のリスクオフの巻き戻しも重なり、半導体関連や指数寄与度の大きい主力株が上昇を主導していました。
値動きの例では、ソフトバンクグループは6%超高、ファーストリテイリングは5%近く上昇、トヨタは4%近く上昇、ホンダは2%超高でした。
テクノロジーでは、アドバンテストが10%超上昇し、SCREENホールディングスは8%近く上昇、東京エレクトロンは9%近く上昇でした。銀行も買われ、三井住友フィナンシャルグループとみずほフィナンシャルグループは4%超高、三菱UFJフィナンシャル・グループは3%近く上昇でした。
一方で出遅れも整合的でした。原油相場が下落に転じたことでエネルギー関連は軟調となり、INPEXは5%超下落でした。また、原油リスクプレミアムの巻き戻し観測から、商船三井、川崎汽船、日本郵船など海運株も下落していました。
米国株が相場の下支えに
米国市場の流れも追い風でした。ナスダック総合指数は0.1%高の22,017.85、S&P500種株価指数は0.1%高の6,616.85、ダウ工業株30種平均は0.2%安の46,584.46でした。大幅高ではなかったものの、アジア時間に入る際の地合いを崩さないには十分でした。
最大の材料は停戦と原油下落でしたが、米国株の引けが、押し目買いを積極化する上での障害を一つ取り除いた形でした。
アジア全体でも上昇は広範でした。韓国と台湾が急伸し、香港、中国、豪州、ニュージーランドもそろって上昇していました。地域的な強さは、投資家が共通のマクロテーマ、すなわち「原油安」「インフレ圧力の低下」「戦争プレミアムの一時的な後退」を各市場で織り込んでいたことを裏付けていました。
日経平均株価のテクニカル見通し
日経平均株価は56,223近辺で推移しており、直近では60,077の高値からの上値抑制を受けた調整後に急反発していました。
値動きからは強い上昇モメンタムの回復が示唆され、太い陽線が直近の持ち合いレンジを上抜け、主要な移動平均線を再び上回っていました。
この動きは、3月にかけて見られた調整局面の後、買い手が再び積極化していた可能性を示していました。
テクニカル面では、構造が再び強気方向へ傾いていました。株価は5日線(54,076)と10日線(53,259)を回復し、いずれも上向きに転じて目先のサポートとして機能していました。
20日線(53,338)も横ばいから上向きに転じつつあり、下押し圧力の後退とモメンタム再構築を示していました。足元の上昇は、現在の水準を維持できればトレンド継続の可能性を示唆していました。
注目水準:
- サポート: 54,300 → 53,300 → 51,000
- レジスタンス: 56,300 → 57,700 → 60,000
目先の焦点は、現在上値抵抗として試されている56,300近辺でした。ここを明確に上抜けて定着すれば、57,700が次のターゲットとなり、勢いが続けば60,000近辺の再試しも視野に入っていました。
下方向では、54,300が直近の上放れポイントと重なる初期サポートでした。これを割り込む場合、短期モメンタムの低下を示し、53,300近辺への押しが意識され得ましたが、改善しつつある構造の中では調整の範囲にとどまる可能性が高いとみられていました。
総じて、日経平均は直近の下押し後に強い回復モメンタムを示し、短期的には買い方が主導権を取り戻していました。株価が54,000〜54,300を維持できれば、上昇継続バイアスが強まり、過去高値圏の再トライに向けた地合いが形成される可能性がありました。
今後の注目点
今後の値動きは、停戦が短期の「小休止」にとどまらず、エネルギーの安定供給につながるかどうかに左右されやすい状況でした。これまでの押し上げ要因の大部分は原油安でした。
ホルムズ海峡の海上交通が一定程度開かれ、原油が落ち着いた推移を続ければ、日経平均は5万後半に向けて戻りを試しやすい一方、停戦が揺らいで原油が反発すれば、きょう上昇を主導したセクターが短期的に急速に失速する可能性もありました。
トレーダーの質問
なぜ日経平均株価は急伸したのですか?
2週間の停戦とホルムズ海峡の一時的な再開により、エネルギー供給不安が目先で後退したことが背景でした。エネルギーの大半を輸入に依存する日本にとって原油安は先行き改善材料と受け止められ、地域全体でリスクオンの動きが広がっていました。
なぜ原油安は日本株に特にプラスなのですか?
原油価格の下落は輸入エネルギーコストを押し下げ、インフレ圧力を和らげ、家計支出や企業マージンの見通しを改善しやすかったです。日本は外部のエネルギー価格への感応度が高く、主要株価指数の中でも恩恵が出やすい構造でした。
なぜ輸出株・半導体株・銀行株が上昇を主導したのですか?
輸出株はマクロ環境の改善期待から買われ、半導体株はリスク選好の回復と成長期待を反映し、銀行株はスタグフレーション懸念の後退が追い風でした。特定テーマに偏らず、景気敏感セクターが幅広く持ち上がる展開でした。
なぜエネルギー株は日経平均に出遅れたのですか?
指数全体を押し上げた原油安は、産油関連の収益押し上げ要因を弱めるため、エネルギー株にとっては逆風でした。そのため、INPEXなどは全体上昇とは逆方向に動きやすかったです。
経常収支データは何を示しましたか?
日本の2月の経常収支は3兆9,330億円の黒字と、市場予想の3兆5,490億円を上回っていました。輸出は2.8%増、輸入は9.7%増で、貿易収支は2,676億円の黒字でした。対外部門が想定より底堅いとの見方を補強していました。
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