要点
- 日経平均株価は3.58%高の52,889.85となり、より広範なTOPIXは2.5%高の3,648.78でした。
- 日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIが予想の+16を上回る+17となり、大企業・非製造業は予想の+33に対して+36でした。
- WTI原油は1.28ドル(1.24%)安の101.60ドルとなり、輸入依存度の高い日本経済への圧力が一部緩和しました。
原油価格の反落と、米株市場の強い流れを追い風に、日本株は大きく反発しました。日経平均株価は3.58%高の52,889.85となり、4営業日続いた下落に歯止めがかかりました。TOPIXは2.5%高の3,648.78でした。
原油安が、再びリスク資産を買う材料になりました。日本はエネルギーの多くを輸入に依存しているため、原油価格の下落は企業コスト、家計支出、インフレ期待への圧力を和らげます。米国(ワシントン)がホルムズ海峡の外交的な再開を後押しする姿勢を示したとの報道を受け、WTIは1.28ドル安の1バレル=101.60ドルへ下落しました。
反発は力強い一方で、相場はなおヘッドラインリスクに左右されやすい状況でした。原油水準は依然として高く、中東情勢も未解決でした。
短観が反発を後押し
最新の日銀短観も、相場上昇のもう一つの材料でした。大企業・製造業の業況判断DIは12月の+15から3月に+17へ上昇し、予想の+16を上回りました。大企業・非製造業は+34から+36へ改善し、予想の+33を上回りました。
調査では、エネルギーショック後も企業が想定以上に踏みとどまっていることが示されました。ロイターによれば、大企業は2026年度の設備投資を3.3%増やす計画で、市場予想中央値の3.0%を上回りました。
こうした材料の組み合わせは、企業部門が失速していないことを示唆し、反発を支えました。一方、先行き関連の項目は弱めで、エネルギー価格が再上昇した場合に備える動きもみられました。
世界市場も支援材料
米株市場がアジア市場に強い先導役を示しました。ナスダックは3.8%高、S&P500は2.9%高、ダウ平均は2.5%高でした。欧州市場も上昇して引け、CAC40は0.6%高、DAXとFTSE100はいずれも0.5%高でした。
為替では円が直近の安値圏からやや持ち直しました。ロイターによれば、対ドルで1ドル=158.55円近辺で推移し、年初にみられた160.46円の安値よりも円高水準でした。
円高方向への落ち着きは、輸入インフレを巡る懸念をいくらか軽減する一方、円安による輸出押し上げ効果の一部を削ぐ面もありました。
テクニカル分析
日経平均は53,130近辺で推移し、60,077の高値から続いた調整局面の後、緩やかな戻りを試していました。値動きからは、戻り高値・戻り安値を切り下げる局面を経て、安定化を図る展開がうかがえましたが、指数は重要な上値抵抗を下回っており、上昇モメンタムは限定的でした。
テクニカル面では、短期トレンドは中立から弱含みに傾いていました。株価は10日移動平均(52,609)と20日移動平均(53,380)を下回って推移し、これらが上値抵抗として意識されていました。一方、30日移動平均(54,761)は下向きを継続しており、上昇の勢いの鈍化を示していました。5日移動平均(52,234)は上向きに転じつつあり短期的な反発を示唆しましたが、強い追随買いが伴わない限り、修正局面の範囲にとどまる公算でした。
注目水準は以下の通りでした。
- 支持線:50,500 → 48,000 → 47,000
- 抵抗線:53,400 → 54,700 → 57,500
指数は現在、直近の戻りを抑えてきた53,300~53,400のゾーンを試しており、この水準は20日移動平均とも重なっていました。ここを明確に上抜けて定着すれば、次の上値メドとして、30日移動平均がより強い抵抗となり得る54,700が意識されました。
下方向では、50,500が目先の重要な支持線でした。ここを割り込めば、売り圧力の再燃を示唆し、48,000方向への下押し余地が広がる可能性がありました。
総じて、日経平均はそれまでの上昇局面の後の調整局面にあり、主要移動平均の回復に苦戦していました。指数が53,400を決定的に上回れない限り、戻り局面では上値が重くなりやすく、目先のバイアスは下方向に傾いた状態が続きやすかったでした。
次に注目すべきポイント
次の方向性は、原油が高値圏から離れた状態を保てるか、イランを巡る緊張がさらに緩和するか、日本の経済指標が底堅さを示し続けるかに左右される見通しでした。原油が一段と下落すれば、輸入企業、銀行、内需循環株などの追い風となる一方、エネルギー価格が再び急騰すれば、インフレと企業収益(マージン)への圧力が急速に強まる可能性がありました。
トレーダーからの質問
なぜ日経平均は大きく上昇したのかでしたか?
日経平均は3.58%高の52,889.85となり、原油安が輸入依存度の高い日本経済への圧力を和らげたことに加え、世界的な株高がリスク選好を改善したことが背景でした。
原油安は日本株にどのように寄与したのかでしたか?
日本はエネルギーの大半を輸入しているため、原油価格の低下は企業のコスト圧力を軽減し、輸入インフレを和らげ、家計支出を下支えしました。この局面でWTIは1.28ドル(1.24%)安の101.60ドルとなり、センチメント改善に寄与しました。
短観は何を示したのかでしたか?
日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIが予想の+16に対して+17となり、大企業・非製造業は予想の+33に対して+36でした。また、大企業は2026年度の設備投資を3.3%増やす計画で、市場予想中央値の3.0%を上回りました。
なぜ輸出株、銀行株、半導体関連が相場を主導したのかでしたか?
輸出株は世界的なセンチメント改善の恩恵を受け、銀行株は景気敏感株へのリスク選好回復に連動しました。半導体関連は米国のハイテク株高を追随しました。当日は物色が広がり、限定的な反発に比べて戻りの強さが増した点も特徴でした。
なぜINPEXは相場に出遅れたのかでしたか?
原油安によりエネルギー生産企業への追い風が弱まり、相場全体が上昇する中でINPEXは2.6%安でした。
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