USD/CHFは0.7900からの3日続伸を拡大し、欧州時間に0.8100へ接近した。米ドルが全面高となり、2025年11月以来の高値圏で推移している。米ドル指数(DXY)は2025年5月以来の高水準まで上昇。米連邦準備制度理事会(FRB)のタカ派寄りの姿勢に加え、JD・バンス米副大統領がイランとの協議のために予定していたスイス訪問を取りやめたことで、次回の米・イラン交渉を巡る不透明感が強まったことが支えとなった。別途、イスラエルによるレバノンへの空爆が地政学リスクを高め、安全資産としての米ドル需要を下支えし、同通貨ペアを押し上げた。
値動きは、200日単純移動平均線(SMA)からの反発と、心理的節目である0.8000の再上抜けに支えられ、1月に付けた年初来高値の再試し局面となった。MACDはプラス圏でシグナルラインを上回って推移し、RSI(14)は60台後半へ上昇して買われ過ぎ圏接近を示唆。200日SMAと重なる0.7907近辺が主要な下値目安とされ、日足で同水準方向へ戻す展開となれば、モメンタムの鈍化と持ち合い回帰を示す可能性がある。
上昇モメンタムの背景
当社は、米ドルの広範な上昇と地政学的緊張を背景に、USD/CHFの足元の上昇モメンタムは継続するとみている。直近の0.8000上抜けは重要な強気シグナルである。当該水準を維持する限り、上値余地が大きい(上昇が最も起こりやすい)との見方に変わりはない。
FRBのタカ派姿勢は堅調な経済指標により補強されており、先週発表された米インフレ指標は3.1%と、市場予想をやや上回った。一方、スイス国立銀行(SNB)はフラン高抑制の観点から、最近の声明でハト派バイアスの継続を示唆している。こうした金融政策の方向性の乖離は、USD/CHFの上昇を強く支持する。
トレーディング戦略とリスク管理
明確な上昇トレンドを踏まえ、当社は年初来高値である0.8100をわずかに上回る行使価格のコールオプションの購入を検討している。この戦略により、上昇局面での収益機会を狙いつつ、下方リスクを限定できる。今後数週間のターゲットとして0.8250を想定する。
もっとも、RSIが買われ過ぎ圏に近づいているため、短期的な調整(押し目)にも備える必要がある。この対応として、主要サポートである0.7907を上回るレンジ推移を前提に、アウト・オブ・ザ・マネーのプット・スプレッドを売却してプレミアムを獲得し、持ち合い局面の収益化も検討している。次の上昇局面を待つ間のクッションとなり、インカム確保にもつながる。
今回の市場動向は、FRBのタカ派化と地政学リスクの組み合わせが持続的な上昇相場をもたらした2024年後半のトレンドを想起させる。1カ月物USD/CHFオプションのインプライド・ボラティリティは8.5%まで上昇しており、市場がより大きな値動きを織り込みつつあることを示す。当社は、この高水準のボラティリティを活用し、リスクリワードが良好となるような取引構成を行っている。
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