カナダドル、下げ幅を縮小 米FRBとカナダ銀行の政策差と雇用統計を背景にドル/カナダは底堅く推移

    by VT Markets
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    Jun 4, 2026

    カナダドルは木曜日、米ドルに対して下落したが、イスラエルとレバノンの合意に関する報道を受け、米国—イラン和平計画の進展期待が高まったことで、日中の下げの大半を取り戻した。USD/CADは1.3900台前半で推移し、8週間ぶり高値の1.3925から上げ幅を縮小。それでも週間では0.8%高となった。レバノンのジョセフ・アウン大統領は、停戦の履行に向けたイスラエルとの合意について、関係各方面からの回答を待っていると述べた。一方で、市場全体のリスク選好は引き続き抑制されたままだ。

    米国指標は水曜日にドルを下支えした。ADP雇用統計は5月の純増が強めであることを示し、ISM非製造業(サービス)PMIも、価格圧力の高止まりとともに底堅い活動を示した。インフレが粘着的であれば、FRBが早期に利上げに踏み切る可能性を支持する内容となった。市場の次の焦点は米新規失業保険申請件数で、金曜日の米非農業部門雇用者数(NFP)は+8.5万人、失業率は4.3%で横ばいが見込まれている。カナダでは統計局が5月雇用統計を公表する予定で、純増は4月の▲1.77万人の反動で+1.0万人が予想される一方、失業率は6.9%で横ばい見通し。カナダ銀行(BoC)はインフレ目標を1~3%に設定し、量的緩和・引き締めも政策手段として用いうる。原油価格と貿易収支も引き続きカナダドルの主要ドライバーとなる。

    FRBとカナダ銀行の政策乖離

    USD/CADは1.3910近辺で推移しており、中央銀行政策の明確な乖離を映している。カナダ銀行は昨日、景気の減速を理由に政策金利を25bp引き下げて4.5%とした。この動きは、米連邦準備制度理事会(FRB)のスタンスと対照的だ。

    米国側では、ドル高を支える材料がなお堅固である。4月のコアPCEデフレーターは2.8%となり、FRB目標をなお大きく上回る。これにより「高金利の長期化」見通しが補強されている。金利差の拡大は、カナダドルよりも米ドルを保有する魅力を高める。

    カナダドル(ルーニー)には、原油安も逆風となっている。世界需要への懸念を背景に、WTI原油価格は足元で1バレル75ドルを下回った。原油はカナダの主要輸出品であるため、価格下落は通貨を支える重要な柱を直接的に弱める。この傾向はカナダの景気見通しを一段と複雑にしている。

    USD/CADの見通しと取引戦略

    目先の市場の焦点は、両国で明日発表される雇用統計に移っている。コンセンサスでは、米国は5月に18.0万人の増加、カナダはより控えめな2.0万人増が見込まれている。こうした景気の乖離が確認されれば、USD/CADは一段と上値を試す可能性が高い。

    この環境下では、今後数週間にわたりUSD/CADの上昇余地を見込む戦略に妙味があるとみる。1.4000の心理的節目、さらにはそれ以上への上昇局面を狙い、コールオプションの買いといったデリバティブ戦略で機会を捉えることが考えられる。米国経済の相対的な底堅さが続くとの見立てに基づき、ポジションを構築している。

    この状況は、FRBとカナダ銀行の政策乖離がUSD/CADを1.2500から1.4500超へ押し上げた2015~2016年局面を想起させる。歴史は同じ形で繰り返さないものの、トレンドがどれほど強力になり得るかを示す有用なテンプレートとなる。今後のデータ発表を注視し、想定シナリオの検証を進める。

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