停戦でリスク警戒が後退しドルは99.50近辺で下げ渋り 原油急騰で米FRBのタカ派観測強まる

    by VT Markets
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    Jun 4, 2026

    米ドル指数(DXY)は3日続伸の後、木曜日のアジア時間にかけて上値が重く、99.50近辺で推移した。リスク回避姿勢の後退を受け、米ドル(USD)が軟化したためだ。イスラエルとレバノンは、ワシントンでの米国主導の協議を経て、停戦を更新することで水曜日に合意した。条件には、イラン支援のヒズボラによる攻撃の「完全停止」が盛り込まれている。正式な外交関係はないものの、両者は「試験的な安全保障ゾーン」を設置し、レバノン軍が非国家主体の排除を含め、当該地域を独占的に統治することでも一致した。

    米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は木曜日、トランプ米大統領が側近に対し、テヘランが米兵を殺害した場合には対イラン停戦の終了を検討すると伝えたと報じた。一方で、小競り合いが続くにもかかわらず、空爆の1週間の停止は維持されている。ニューヨーク・ポスト紙のインタビューでトランプ大統領は、労働者の日(レーバーデー)まで続く封鎖は「可能性はあるが、ありそうにない」と述べ、市場が想定するホルムズ海峡再開のタイムラインを後ずれさせた。別途、米ドル見通しは、5月ADP民間雇用やJOLTS求人件数など米雇用指標の強さにも支えられている。CME FedWatchツールによれば、市場は12月の米連邦準備制度理事会(FRB)利上げ確率を約42%織り込んでいる。

    ドル見通し、地政学、インフレリスク

    本日(2026年6月4日)時点で、米ドル指数は99.50近辺を維持しているが、この安定は一時的に映る。イスラエルとレバノンの停戦更新は一定の安心材料となる一方、より大きなイラン発リスクが米ドルの下値を支えている。市場は神経質な状態が続いており、米ドルの押し目は買い場になり得る。

    今後数週間で最重要となるのはペルシャ湾情勢だ。供給混乱懸念からWTI原油先物が1バレル=95ドル超まで急騰しており、インフレ懸念が再び焦点に浮上している。トランプ大統領が封鎖延長がレーバーデーまで及ぶ可能性に言及したことで、エネルギー主導のインフレ圧力が夏場まで継続するシナリオを想定すべきだろう。

    これはFRB見通しに直結する。5月CPIが予想を上回る3.8%となったことや、JOLTS求人件数の堅調さなど、最近のデータはFRBがタカ派姿勢を維持する明確な材料となっている。次に控える5月の非農業部門雇用者数(NFP)は極めて重要で、市場は20万人超の堅調な増加を見込んでいる。

    市場の織り込みとトレーディング戦略

    こうした要因を受け、金利見通しは大きくシフトしている。CME FedWatchツールでは12月利上げ確率が42%に上昇しており、1カ月前の15%から急速に再評価が進んだ。この再織り込みは米ドル高を下支えする。地政学的緊張が原油高を維持する限り、このトレンドは続くとみる。

    デリバティブ取引では、年後半に向けた米ドル高とボラティリティ上昇を想定したポジショニングが示唆される。上値追い局面を狙い、9月・12月満期のDXYコールオプションの買いを検討している。強気見通しを維持しつつプレミアム獲得を狙う手段として、短期の米ドル・プット(売り)も選択肢となり得る。

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