米ドル安でポンド/ドルは小幅高、米・イラン和平協議で市場のボラティリティが低下

    by VT Markets
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    May 30, 2026

    GBP/USDは金曜日、序盤の下落から持ち直して小幅高となった。米・イランの和平合意の可能性を巡る観測でリスクセンチメントが改善したことが背景。執筆時点で同ペアは1.3460近辺で推移し、週間では概ね横ばいで終える見通し。

    ロイターは、イランの政府高官筋の話として、イランと米国の間で「政治的理解」に到達したものの、まだ最終確定していないと報じた。これに先立ち、現行の停戦を延長しつつホルムズ海峡を再開する内容の「60日間の覚書案」で双方が合意したとの見方が伝わっていた。

    米・イラン動向とボラティリティへの含意

    米・イランの「理解」が成立する可能性は、市場ボラティリティを低下させる大きな触媒になり得るとみる。リスク選好の改善は一般に、地政学リスク局面で安全資産として買われやすい米ドルを押し下げる。したがって、GBP/USDの上昇、そしてとりわけ予想変動(値動きの期待値)の低下の恩恵を受ける戦略を検討すべきだ。

    最も直接的な手段は、同通貨ペアでボラティリティを売ることだ。合意が最終確定すれば、オプションに織り込まれたリスクプレミアムが大きく剥落する可能性が高い。GBP/USDの1カ月インプライド・ボラティリティは、この1週間で11%超から8.5%近辺へ既に低下しており、合意が確認されれば年平均の7%近辺へ一段と低下すると予想する。これは、2015年のJCPOA合意後に通貨ボラティリティが数カ月にわたり低下した局面と類似している。

    方向性トレードのアイデアと市場全体への波及

    方向性の見通しとしては、英ポンドが対ドルで慎重に強気となるスタンスを選好し、コストを抑えるためコール・スプレッドの活用が考えられる。合意はファンダメンタルズ面で典型的な「リスクオン」であり、ドルの重しとなる一方、ポンドのような世界景気連動通貨を支えやすい。足元のモメンタムが維持されれば、今後数週間で1.3600水準を試す可能性がある。

    ホルムズ海峡の再開は原油価格に下押し圧力を与える点でも重要だ。ブレント原油はこれらの報道を受けて既に6%下落し、1バレル=89ドルまで低下している。下落が継続すれば、世界的なディスインフレ要因となり得る。これは、英国の賃金伸び率が直近で4.1%と強めに出た一方で、英中銀(BOE)にかかる一部の圧力を和らげる可能性がある。

    以上を踏まえると、最も確度が高い戦略はボラティリティのショートとみられる。英国内のインフレ懸念が残るため、ポンドの方向性はやや見通しが曇る部分がある。GBP/USDはドル安を背景に上値余地が大きいと考えられるものの、インプライド・ボラティリティの低下の方がより確実な帰結に見える。大きな新規ポジションを積み増す前に、覚書の公式確認を注視したい。

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