米・イラン合意への期待でリスク選好が改善し金は反発、FRBのタカ派姿勢が上値を抑制

    by VT Markets
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    May 29, 2026

    金(ゴールド)は金曜日に反発し、市場は米国とイランの合意成立の可能性を見極めている。XAU/USDは、木曜日に2カ月ぶり安値の4,366ドルまで下落した後、4,583ドル近辺で推移した。ドナルド・トランプ氏が海上封鎖を解除すると述べ、さらにAxiosが、停戦延長とホルムズ海峡の再開を盛り込んだ「60日間の覚書(MOU)」について報じたのを受けて、投資家のリスク選好は改善した。トランプ氏はイラン対応について「最終判断」を下すため、シチュエーション・ルームで会合を開くとも発言した。ただし、タスニム通信は当該合意について「最終化されておらず、確認もされていない」と伝えた。こうした動きを受けて原油は軟化し、WTIは1バレル=85ドル前後。5カ月ぶりとなる月間下落に向かう一方、高止まりする原油価格がインフレへの警戒を維持させている。

    改善するセンチメントと金融政策の綱引きの中で米ドルは弱含み、ドル指数(DXY)は98.80近辺と、木曜日に付けた7週間高値の99.54から反落した。金は依然として月間で3カ月連続の下落ペース。PCE統計や「2%のインフレ目標」に裏打ちされたFRBのタカ派的メッセージが、「高金利の長期化」観測を支えた。テクニカル面では、価格は20日ボリンジャーバンドのSMA(4,587.97ドル)をわずかに下回る水準。上限は4,761ドル近辺、下限は4,414.50ドル付近で、RSIは48近辺、ADXは24前後と、もみ合いを示唆している。

    Trading Volatility in Energy Markets

    米・イラン合意を巡る不確実性が高いことを踏まえると、今後数週間で最も直接的に取引テーマとなるのはボラティリティだと考える。CBOE原油ボラティリティ指数(OVX)はこの1週間で既に15%超上昇しており、オプション市場がWTI原油の大きな変動を織り込んでいることを示す。合意が成立するか否かにかかわらず、どちらの方向への大きな値動きでも収益機会となり得るストラドルのようなオプション戦略に妙味があるとみる。

    状況は、2015年のJCPOA(包括的共同作業計画)合意に向けた局面に似ている。当時は最終合意が発表された月にWTI原油が約20%下落しており、地政学リスクの緩和がエネルギー市場の価格付けを急速に変え得ることを示した。今回の協議が決裂すれば、今年前半に見られた100ドル水準へ再び向かう展開も同様に十分あり得る。

    Options Outlook for Gold and the US Dollar

    金については見通しがより不透明で、レンジ相場を前提とした戦略の方が魅力的だ。合意成立によるドル安は追い風となり得る一方、地政学リスク低下は逆風となる。XAU/USDが概ね4,400〜4,800ドルのレンジ内にとどまれば収益となるアイアン・コンドルのように、プレミアムを売る戦略が堅実なアプローチだと考える。

    FRBのタカ派姿勢は、金の上値余地を引き続き抑えるだろう。最新のコアPCEインフレ率は4.1%と、FRB目標の2%を大きく上回っており、政策当局が引き締め的スタンスを維持する理由は十分にある。高金利環境は利息を生まない金の保有に伴う機会費用を高め、ヘッジ需要があっても投資妙味を限定し得る。

    米ドルも同様の綱引きにある。リスク選好の改善が下押しする一方、高金利期待が支えるため、DXYについて強い方向性を取ることには慎重にならざるを得ない。代わりに、為替先物オプションを活用し、既存エクスポージャーのヘッジや短期的な値動きを狙った機動的な取引を検討している。

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