AUD/USDは金曜日、0.7180近辺へ上昇した。リスク選好が改善するなか、米国とイランの長期的な停戦に向けた進展報道を受けて米ドルが売られた。米メディアによれば、両国は停戦を60日延長し、ホルムズ海峡を再開、核協議を開始するための覚書(MOU)で合意したという。一方、4月の米コアPCEデフレーターは前年同月比3.3%と横ばいで、市場予想に一致した。中東情勢が引き続きインフレ圧力を下支えしている。
ただし、ドナルド・トランプ大統領が合意を正式に承認しておらず、イラン当局者も覚書は最終化されていないとしているため、不透明感は残る。テクニカル面では、4時間足で0.7181近辺。100期間SMA(0.7179)と20期間SMA(0.7150)をいずれも上回り、RSIは61近辺で推移。上値抵抗は0.7190付近、下値支持は0.7180および0.7179。その後、売りが強まれば0.7167、0.7160が意識される。
地政学要因とリスク管理
現時点で豪ドルの主因は、米国とイランの合意の行方とみる。前向きな報道がAUD/USDを押し上げている一方、合意は未確定であり、状況は脆弱だ。この不確実性を踏まえると、今後数週間に顕在化し得るリスク管理としてオプション活用が有効となりうる。
停戦が確認されれば、安全資産が売られて米ドルが軟化しやすく、豪ドルには追い風となる公算が大きい。とりわけ主要輸出品である鉄鉱石価格が直近の取引で1トン当たり110ドル台を維持していることも背景だ。市場がFRB利下げを織り込み始めた2023年後半の「リスクオン」局面に似た展開が想定される。
もっとも、イラン当局者の慎重姿勢から、交渉が頓挫すれば急反転のリスクがある。リスク回避が戻れば米ドル高が進行しやすい。さらに、米コアPCEインフレが3.3%で高止まりしている以上、エネルギー価格の新たなショックがあればFRBのタカ派姿勢が長期化し、ドルを一段と押し上げる可能性がある。
ボラティリティとテクニカル水準
相反する2つの結果が想定されるため、ボラティリティの急上昇を見込む。方向性を限定せず大きな値動きに備える戦略として、ストラドルなどオプション買いは合理的な選択肢となる。過去にも同規模の地政学イベントでは、主要通貨ペアのインプライド・ボラティリティが数週間単位で大きく上昇した例がある。
テクニカルには、0.7190のレジスタンスが焦点だ。ここを明確に上抜ければ、豪ドルの上値余地拡大を示唆する。一方、0.7160のサポートを割り込めば、上昇モメンタムの失速を示すシグナルとなる。
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