米ドルは金曜日、対スイスフランでほぼ変わらずとなり、前日に0.7900付近で上値を抑えられた後も0.7830台を維持した。Axiosが、米国とイランが停戦を60日延長するための覚書(MOU)に合意したと報じたことでリスク選好が改善。ただし同文書はドナルド・トランプ大統領の署名をまだ待っている状況で、安全資産としての米ドル需要が和らいだ。
米PCE価格指数が底堅く、FRBの利上げ観測は残ったものの、地政学リスク後退がドルの反応を抑制。一方、スイスのKOF景気先行指数は4月に小幅上昇したが、市場への影響は限定的だった。USD/CHFは下降チャネル内で0.7839で推移し、4時間足RSIは43前後、MACDヒストグラムは赤棒の拡大が続いた。弱気派は0.7800上のサポートを注視しており、下値目標は0.7760近辺、さらにチャネル下限の0.7755。上値抵抗は0.7900、次いで0.7930付近に位置し、4月初旬の高値(0.8000超)を前に控えている。
政策の方向性の乖離とオプション戦略
足元の米ドルは、対スイスフランで0.9050近辺を中心に狭いレンジで取引されている。最近発表された大型の貿易合意がリスクセンチメントを改善させており、一般的に安全資産である米ドルには下押し圧力となりやすい。このため、市場が相反するシグナルを消化する中で、通貨ペアは綱引きの様相を呈している。
米ドルの底堅さは、FRBが当面据え置きを続けるとの見方に支えられている。直近の米4月コアCPIは2.8%と粘着的で、近い将来の利下げ観測を後退させた。他中銀との政策スタンスの乖離は、USDを下支えする重要要因となっている。
一方、スイス国立銀行(SNB)は、国内インフレが前年比1.4%と低水準にとどまるなど、異なる環境に直面している。SNBは2026年3月に利下げで市場を驚かせており、この夏にも追加利下げがあり得るとみている。これにより、高金利の米ドルに比べてスイスフランを保有する魅力は相対的に低下する。
こうしたファンダメンタルズ環境を踏まえ、USD/CHFの緩やかな上昇で収益機会を狙うオプション戦略を検討している。ブル・コール・スプレッドは、数週間の想定上昇局面に対してリスクを限定しつつポジションを構築できる手法として有効だ。具体的には、低い権利行使価格のコールを買い、より高い権利行使価格のコールを売ってプレミアムを相殺し、建玉を組成する。
過去の局面とチャート水準
同様のパターンは2022〜2024年にも見られた。FRBの積極的な利上げと、より慎重なSNBの姿勢が組み合わさり、通貨ペアは持続的に上昇した。今回は当時ほど劇的ではないものの、金融政策の乖離が再び形成されつつあるように見える。
チャートでは、目先の上値抵抗は0.9150付近で、先週はこの水準が上値を抑えた。ここを明確に上抜ければ、心理的節目の0.9200の試しが視野に入る。調整局面では、0.9000近辺が当面の初期サポートになりやすい。
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