円相場、ドル円が再び160円付近に接近 日本の為替介入効果が薄れ、日米金利差がキャリートレードを下支え

    by VT Markets
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    May 28, 2026

    財務省と日銀は、4月下旬から5月上旬にかけて600億ドル超を投じて為替介入を実施したと報じられており、ドル/円を160.00近辺から押し戻し、156.00方向へ下落させた。ただ、その後はじりじりと反発し、足元では159.50前後まで回復。下げ幅の約80%を埋め戻した格好だ。依然として金利差が最大のドライバーで、FRBの政策金利が3.50%~3.75%、日銀が0.75%にとどまることで、ドル優位のキャリーは約300bp残る。4月の東京都区部CPIは弱含み、コアコアが前年比1.9%と、市場予想の2.3%を下回って伸びが鈍化し、短期的な追加利上げ時期の見通しに重しとなった。

    テクニカル面では、ドル/円は158.50近辺の50期間EMAを上回って推移し、200EMAは155.50近辺。日足のストキャスティクスRSIは上昇基調だが、買われ過ぎ水準には到達していない。次の材料は12:30GMT発表の米コアPCE(予想:前月比0.3%、前年比3.3%)に続き、23:30GMTの東京都区部CPI(生鮮除く総合の予想:前年比1.5%)。160.00を明確に上抜ければ東京の対応が再び焦点となり、反落なら158.50の攻防が意識される。

    日本の介入と限定的な効果

    日銀と財務省は先月、一定の時間を稼いだ。報道ベースで約9兆円に及ぶ介入により、ドル/円は警戒ラインの160.00ゾーンから押し戻されたが、足元では再び159.50近辺まで戻っている。キャリートレード勢が、いったん整理を迫られたポジションを辛抱強く積み直しているとみられ、この展開は「お決まりのパターン」だ。

    反発の根本要因は何も変わっていない。FRBが金利を4.25%前後で維持する一方、日銀は0.25%とほぼゼロ金利に近く、金利差は極めて大きい。この“金利差という算数”が変わらない限り、東京の介入は時間稼ぎにはなっても、円相場の新たな方向性を作る決定打にはなりにくい。

    キャリートレード心理と見通し

    植田総裁はおなじみの綱渡りを続けているが、その綱はさらに細くなっている。直近の経済指標も追い風になっておらず、2026年4月の東京都区部コアインフレ率は前年比1.8%と弱く、市場予想を下回った。この弱い結果は、円を本格的に下支えするために必要な利上げを実行に移すハードルを高める。

    当社としては、ドル高・円安に賭ける戦略に分がある局面とみる。ブレイクアウトに備え、権利行使価格を160.00超に置いたドル/円コールオプションの購入を検討したい。最大のリスクは再度の介入だが、2022年や先月も示した通り、効果は一時的にとどまりやすい。

    向こう1~2週間のインフレ指標に注目が集まる。米PCE物価指数は重要で、2026年4月分の前回値は前年比2.7%と粘着的で、FRBを慎重姿勢にとどめた。今回も強めの結果となれば、ドル上昇に拍車がかかり、160.00の壁を勢いよく突破する可能性が高い。

    したがって、158.00近辺への押し目は買い場として捉える方針だ。160.00を明確に上抜ければ、キャリートレードが再び主導権を握ったサインとなり、東京は改めて対応を迫られる。米インフレが予想外に弱く、日本のインフレが強いという組み合わせでなければ、この流れを本格的に反転させるのは難しいだろう。

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