トランプ氏、イラン制裁緩和を否定 ホルムズ海峡を巡る強硬発言で原油高・ボラティリティ見通し上昇

    by VT Markets
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    May 28, 2026

    トランプ米大統領は水曜日、米国は対イラン制裁を緩和せず、イラン資産の凍結解除もしないと述べた。さらに、将来の合意の下で核物質をどう扱うかに関して制約となり得る発言として、「ロシアや中国がイランの高濃縮ウラン備蓄を引き取ることには“満足していない”」とも語った。

    ホルムズ海峡については、誰か一者が支配するのではなく、すべての国に対して開かれるべきだとし、「直ちに開放される」と述べた。また、米国とイランのいかなる取引(合意)も「完璧」でなければならないとしたうえで、イランとの間に「理解」があるとも言及した。

    エネルギー市場への影響と原油価格の動き

    これらの発言はエネルギー市場に大きな不確実性を再注入し、当面の原油価格に事実上の下値を与えるものとみている。制裁に関する強硬姿勢により、新たなイラン産原油供給が市場に戻る可能性は後退した。市場の一部が織り込みつつあった要因が剥落した形で、地政学リスクが過小評価されているシグナルでもある。

    最大の焦点はホルムズ海峡だ。当社では、世界消費の2割超に相当する日量約2,100万バレルの原油がこのチョークポイントを通過している点を最重要視している。大統領は「開放維持」を保証したものの、こうした強い言辞自体が保険料や海運コストに上乗せされるリスク・プレミアムを押し上げる。実際、発言後1時間以内にブレント原油先物は約3%上昇し、1バレル当たり92ドル超へと跳ねた。市場の即時の警戒感を映している。

    ボラティリティ戦略と過去局面との比較

    当社はこれを受け、主要な原油ETFおよび先物を対象に、期近のコールオプションを購入してボラティリティ上昇に備える構えだ。CBOE原油ボラティリティ指数(OVX)はすでに18%急伸しており、市場が今後数週間の価格変動拡大を警戒していることを示す。この戦略により、価格急騰局面での利益機会を狙いつつ、想定外に状況が安定化した場合のリスクを限定できる。

    過去を振り返ると、2019年の無人機をめぐる事案など米国・イラン間の緊張が高まった局面では、原油価格は短期的に急騰した後、目先の恐怖感が後退するにつれて緩やかに低下するパターンが多かった。ただし、最新のEIA(米エネルギー情報局)データによれば、足元の世界在庫は当時よりタイトであり、実際に供給途絶が起きれば影響がより持続し得る。こうした環境を踏まえ、当社は満期が今後45〜60日に集中する商品への配分を厚くしている。

    一方で、イランとの「理解」に言及した点は、急な緊張緩和の余地をわずかながら残し、価格の急反転を招く可能性がある。このリスクに備え、当社は裸(ネイキッド)ポジションを避け、ブル・コール・スプレッドを活用する。上値余地は限定されるものの、コストを大きく抑えられ、ボラティリティの急低下や価格下落への耐性も高まる。

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