英ポンドは対米ドルで2日続落し、米・イラン協議をめぐるセンチメントの変化を背景にドルが買われ、GBP/USDは1.3429前後で推移した。イラン国営テレビは、覚書(MOU)に関する初期の非公式枠組みがあると報じたが、米国はこれを「完全な捏造」として否定。これを受けてドルは日中の下げを巻き戻した。米ドル指数(DXY)は欧州時間に一時99.00を割り込んだ後、99.20近辺で取引された。
市場の関心は引き続き、イラン核開発計画とホルムズ海峡をめぐる交渉に向けられている。米国のドナルド・トランプ大統領は水曜日の閣議で同問題を協議する予定だ。海峡が全面的に再開していない状況では原油価格が高止まりしやすく、米インフレ率がFRBの目標である2%から一段と乖離することで、金融引き締め姿勢の長期化観測が強まる。CMEのFedWatchツールでは年末の利上げの可能性も示唆されている。英国では、インフレと雇用の弱い指標を受け、年末までのイングランド銀行(BoE)の引き締め観測が後退。市場は米PCEデフレーターとFRB当局者の発言を見極めようとしている。
地政学的緊張がポンドの重しに
地政学的緊張の継続を背景に、英ポンドは対米ドルで引き続き上値の重い展開が見込まれる。米・イラン交渉の不透明感が市場の慎重姿勢を強め、安全資産としてのドルの魅力を高めており、これがGBP/USDに直接的な下押し圧力となっている。
米ドル指数(DXY)もこうした心理を映しており、今週は104.6近辺で底堅く推移している。これは過去数年の水準と比べても大きく高い。歴史的に中東で紛争リスクが高まる局面では、資金が安全を求めてドル高となりやすい傾向が一貫して見られる。外交不確実性が主要テーマである限り、この流れは続く可能性が高い。
WTI原油は足元で1バレル=79ドル近辺で推移しており、エネルギー価格の高止まりが米インフレ懸念を再燃させている。最新の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%と、FRBの2%目標を依然として大きく上回る。こうした環境は、FRBが利下げを急がないとの見方を補強する。
中央銀行見通しの乖離とGBP/USD戦略
以上を踏まえると、FRBは従来想定よりも長く制約的な金融政策スタンスを維持する可能性が高い。CMEのFedWatchツールでは、2026年末までに織り込まれる利下げが「1回のみ」とされており、以前の見通しから大きく変化している。この見通しは米ドルにとって強いファンダメンタルズ面の支えとなる。
一方、英国の経済指標は弱含みの様相を示している。英インフレ率は足元で2.3%へ低下し、労働市場にも減速の兆しが見られることから、BoEが高金利を維持する必要性は薄れつつある。中央銀行政策の方向性の乖離が、英ポンド安の主要因となっている。
今後数週間については、GBP/USDの一段安を想定したポジションを検討している。1.3400を下回る下落局面に備え、プットオプションの購入で収益機会を狙う方針だ。この戦略により、リスクを限定しつつ、想定する弱気トレンドへのエクスポージャーを維持できる。
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