ソシエテ・ジェネラルのコモディティーチームによると、ブレント原油は先週、113ドル近辺で切り下がる高値を形成した後、1月以来初めて50日移動平均線を下回った。足元では、5月上旬に付けた安値である96ドル前後の中間サポートを試している。この水準を割り込めば、同行は下値メドとして、3月以降の上昇トレンドライン(91~90ドル近辺)、次いで86ドルを挙げた。
また同チームは、ホルムズ海峡の再開に関する複数のシナリオをモデル化し、それぞれ年末時点の価格見通しと結び付けた。6月上旬の早期再開シナリオでは、ブレントは年末にかけて1バレル当たり約85ドルへじり安となる一方、より遅い段階での解決では150~160ドル方向への急騰を招き得るという。低確率ながら、年末までホルムズが閉鎖されたままの場合、ブレントは1バレル当たり200ドル超へ上昇する可能性がある。
ブレント原油、テクニカルと地政学リスクの二重圧力
ブレント原油は下支えを失い、1月以来初めて50日移動平均線を下回った。価格は現在、1バレル当たり96ドル近辺の重要なサポート水準を試している。こうしたテクニカル面の弱さは、ペルシャ湾をめぐる極度の地政学的緊張の中で生じている。
直接の要因はホルムズ海峡における混乱の継続だ。海上トラッキングデータによれば、直近の海軍をめぐる緊張により、今月のタンカー通航量は70%超減少した。これにより市場のタイト化が進み、最新のEIA(米エネルギー情報局)報告でも世界の原油在庫の急減が確認された。CBOE原油ボラティリティ指数(OVX)も緊張を映しており、4月の平均30から55へ急伸している。
市場の変動性が高まる中での売買戦略とシナリオ
トレーダーにとっては、明確な方向感というより高ボラティリティ局面入りを示唆する。ブレントが96ドルのサポートを維持できなければ、90ドル近辺の上昇トレンドラインまで下落する可能性がある。早ければ6月上旬にもあり得る迅速な外交的解決が実現すれば、年末に向けて85ドル程度まで段階的に下押しされる公算が大きい。
この下方向シナリオでは、再開を受けた安心感による相場変動に備え、プットオプションやベア・プット・スプレッドでのポジショニングが有効となり得る。ただし、情勢悪化リスクは極めて高く、リスク管理が不可欠だ。市場は長期にわたる供給途絶の相応の確率を織り込んでいる。
海峡の通航制限が続く、あるいは全面閉鎖に至る場合、過去の主要な供給ショック時に見られた動きに近い形で、150~160ドル帯への急騰が想定される。この見通しは、長期満期のコールオプションやブル・コール・スプレッドの買いによって、上方向の爆発的な余地を捉える戦略を支持する。インプライド・ボラティリティの上昇でオプションは割高だが、重大な供給危機を限定リスクで取引する手段となる。
低確率だが、混乱が年末まで継続するシナリオでは、ブレント原油が1バレル当たり200ドルを上回る可能性がある。両極端の可能性があることを踏まえると、ロング・ストラドルやストラングルといった戦略は、いずれの方向であれ大きな価格変動から利益を狙えるため有効となり得る。鍵となるのは、外交ルートの動きと海上輸送に関する報告の監視であり、これらが市場の次の大きな変動をもたらす主要なカタリストとなる。
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