インド・ルピーは対米ドルで小幅に堅調に始まり、USD/INRは95.70近辺へとやや軟化した。WTI原油が1.8%安の1バレル=約90.80ドルまで下落し、原油輸入国通貨の下支え材料となった。地政学リスクも焦点となっており、イランは南部イランへの攻撃(米中央軍は自衛措置と説明)を受け、米国が停戦合意を破ったと主張。これに対しイラン革命防衛隊(IRGC)は報復を示唆した。紛争終結とホルムズ海峡の再開に向けた協議は仲介国を通じて継続しており、同海峡は世界のエネルギー供給の約20%が通過する。
海外機関投資家(FII)はインド株に対して慎重姿勢を維持。月曜日に821.75億ルピーを買い越した後、火曜日には2,407.87億ルピーを売り越した。ドルは99.00近辺で小動きとなり、木曜日に発表予定の4月米個人消費支出(PCE)価格指数を控え様子見ムードが広がった。コアPCEは前年同月比3.3%(3月は3.2%)、前月比は0.3%上昇が予想されている。テクニカル面ではUSD/INRは20日指数平滑移動平均(EMA、95.4387)を上回って推移し、RSIは56近辺。下値支持は95.44、次いで95.00、上値抵抗は96.37および97.00近辺に位置する。
ルピー高と地政学的緊張
WTI原油の下落(足元で1バレル=90ドル近辺)を背景に、インド・ルピーは上昇している。ただし、FIIの大幅な資金流出が上値を抑えている。NSDLによれば、5月累計のネット流出は現時点で2兆ルピー超に達している。これによりUSD/INRは95.70近辺で綱引きの様相が強まっている。
今後数週間の最大の材料は、ホルムズ海峡を巡る米国とイランの交渉である。市場はこのイベントの「結果次第で大きく振れる二者択一のリスク」を過小評価しているとみられ、1カ月物USD/INRオプションのインプライド・ボラティリティは6.5%にとどまり、2024年末の類似局面で見られた8%を下回っている。合意の成否にかかわらず大きな値動きを狙う戦略として、ストラドルなどのオプション買いは有効となり得る。
米国指標、FRB政策、オプション戦略
FRBが重視するインフレ指標である米コアPCEにも注意が必要だ。市場予想は前年同月比3.3%で、上振れればFRBのタカ派姿勢を補強する可能性が高い。その場合、ドルはグローバルに上昇し、USD/INRは96.37の抵抗線に向けて上値を試す展開も想定される。
テクニカル面では、USD/INRは20日EMAを上回っており、ドル高基調が残っていることを示唆する。97.00の過去最高値付近に向けた上振れ余地を踏まえると、アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のコールオプション購入に妙味がある。例えば、権利行使価格96.50の週次オプションは、PCE発表後のブレイクアウトやイラン関連の悪材料を契機とする上放れに低コストで備える手段となる。
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