豪ドルは0.7170近辺で小動き、豪CPI発表控え 地政学リスクが重し

    by VT Markets
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    May 27, 2026

    豪ドルは北米時間の取引で火曜日の始値近辺を維持し、AUD/USDは0.7170前後で横ばいとなった。市場は水曜日に公表される豪CPIを待っている。週末に伝わった米・イラン交渉の進展を受けてリスク選好が回復したものの、その後の米軍によるイラン攻撃でリスク志向が崩れ、センチメントは抑制された。米国ではエネルギー価格の上昇が家計に波及し、消費者心理が悪化。コンファレンス・ボード消費者信頼感指数は5月に93.1へ低下した。ただ、ブルームバーグ調査の市場予想(92)を上回った。

    焦点は豪インフレで、4月の総合CPIは前年比4.4%と、3月の4.6%から鈍化が見込まれる。一方、トリム平均CPIは3.4%と、3月の3.3%から小幅上昇予想。豪準備銀行(RBA)は今年これまでに合計75bpの利上げ(3回)を実施しており、直近の堅調な雇用指標は、政策スタンスの引き締め度合いに関する見方を揺さぶっている。米国では耐久財受注、2026年1-3月期GDP改定値、労働市場関連指標、そしてFRBが重視するインフレ指標であるコアPCE価格指数の発表が予定されている。

    CPI発表を前にしたオプション戦略

    豪ドルは0.7170近辺でこう着しており、市場は明日の重要なCPIインフレ指標を前に様子見姿勢を強めている。この静けさは好機でもある。統計発表後には大きな値動きが起きやすく、想定されるボラティリティに備えるにはオプションを用いたポジショニングが最も妥当だと考える。

    インフレ率が予想の4.4%を上回れば、RBAに追加利上げ圧力が強まる。2026年5月上旬のRBA議事要旨は「データ依存」の姿勢を強調しており、今回の発表は次の一手の重要なトリガーとなり得る。このシナリオでは、豪ドル急伸に備え、0.7200超の権利行使価格のコール購入を検討したい。

    一方、インフレが弱めとなれば、足元で意識される景気減速懸念を踏まえ、RBAが引き締め局面の一時停止に踏み切る余地が広がる。指標が下振れすればAUD/USDは急落する可能性がある。これに備え、主要テクニカルサポートである0.7130をやや下回る水準に権利行使価格を置いたプットを検討している。

    マクロ環境とテクニカル水準

    この戦略はマクロ面でも支えられる。豪失業率は4.1%近辺で底堅く、RBAは雇用悪化を強く懸念することなくインフレに軸足を置きやすい。一方、米国の直近コアPCEインフレ率は2.8%で、FRBの政策経路がドルの強弱を左右する重要要因であり続ける。今後発表される米GDP・PCEは、トレーダーが警戒すべきボラティリティ要因をさらに加える。

    方向感は不透明だが急変動の確率が高いことから、ロング・ストラドル(コールとプットの同時購入)も評価している。これは上下いずれの方向でも大きな値幅が出れば利益が見込める。2022〜2023年の引き締め局面では、CPIが単日で大きな値動きを誘発する場面が多かった点を想起したい。

    テクニカル面では、オプションの権利行使価格設定の目安となる水準が明確だ。0.7100〜0.7130にかけてのサポートの集積は、プットの権利行使価格を置くうえで合理的なゾーンとなる。強気シナリオでは現行水準をベースに、より上方のレジスタンスをコールのターゲットとして設定する。

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