イラン核合意再建への期待で変動高まる中、米国の在庫減少にもかかわらずブレント原油は100ドル割れ

    by VT Markets
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    May 26, 2026

    ブレント原油は、イラン紛争を巡るヘッドラインに振らされる展開となった。戦争終結に向けた合意への期待が高まり、価格は1バレル=100ドルを再び割り込んだ。ブレントは先週末に103.54ドル/バレルで引けた後、97.87ドル/バレルで取引され、金曜終値から5.48%下落。序盤には96.02ドルまで下げたが、その後、米国とイスラエルの戦闘機がイラン南部でミサイル発射拠点および機雷敷設艇に対する新たな攻撃を実施したとの報道を受け、下げ幅を縮めた。

    週間では、ブレントが5.24%安の103.54ドル/バレル、WTIが8.37%安の96.60ドル/バレルとなった。原油の動きは、スタグフレーション懸念の後退とインフレ期待の軟化と同時に起きた。市場では今後数週間でホルムズ海峡が再開される可能性を織り込み、これが米欧の債券・株式双方を支えた。

    ブレントのボラティリティは地政学的リスクプレミアムが主因

    ブレント原油は、イラン紛争で合意が近い可能性を示す外交関連のヘッドラインを受けて急落した。103ドル超から98ドル割れへと振れたこの往来相場は、地政学的リスクプレミアムが市場を動かしている明確なサインだ。今後数週間も、交渉の進展と後退が繰り返される中で、このボラティリティが続く可能性が高い。

    もっとも、和平協議に伴う弱気ムードは、強気のファンダメンタルズ指標とせめぎ合っている。最新のEIA統計では、米国の原油在庫が先週210万バレルの減少となり、市場が増加を見込んでいたことを踏まえるとサプライズとなった。基礎的需要の底堅さが示唆され、需給のタイト感が価格の下支え要因となる一方、地政学ヘッドラインとの緊張感ある綱引きが続いている。

    不確実性とボラティリティ下での取引戦略

    オプション市場はこうした急変動を織り込んでおり、CBOE原油ボラティリティ指数(OVX)は42前後と、長期平均を大きく上回って推移している。インプライド・ボラティリティの高止まりは、トレーダーが大きな値動えに備えていることを示す。この局面は方向性を当てにいくというより、ボラティリティそのものにポジションを取る環境だ。

    このため、方向に関わらず大きな価格変動から収益機会を得る戦略を検討すべきだ。7月限でストラドルまたはストラングルを買うことで、交渉決裂による急騰にも、合意成立による急落にも対応できる。市場に織り込まれた不確実性の高さを直接的に取り込む手法である。

    方向性を示しつつリスクを限定したい投資家には、バーティカル・スプレッドの活用に妙味がある。ブル・コール・スプレッドは紛争再燃による上昇局面を捉えやすく、ベア・プット・スプレッドは和平合意の確認で下落した場合に収益機会がある。ヘッドラインで相場が一変し得る局面では、損益が限定される設計が有効だ。

    また、暦面にも注目しており、外交会合が6月上旬に予定されていると報じられている。これを踏まえると、期近の不確実性による高いプレミアムを収受するため、長期ポジションに対して週次オプションを売る戦略が魅力的となる。時間価値の減価を追い風にしつつ、より明確な見通しが得られるのを待つのが狙いだ。

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