米ドル指数(DXY)は週明け月曜のアジア時間早朝、約99.05へ小幅に低下した。市場では、ワシントンとテヘランが和平合意に近づいている兆しが意識された。一方で、重要な論点では意見が割れたままだ。ロイターによると、ドナルド・トランプ米大統領は、ホルムズ海峡を再開(通航の正常化)するための「覚書(当事者間で合意事項を文書化するメモ。法的拘束力は限定的な場合が多い)」を両者が「大筋で交渉した」と述べた。ただ、実施時期が不透明で、投資家のリスク選好(リスク資産を買いやすい心理)は大きくは改善していない。現状ではイランが同海峡の船舶航行に影響力を持ち、米国はイラン関連とみられる船舶に対して海上封鎖(海軍による通航・輸送の制限)を続けている。
地政学の変化は金利見通しにも波及した。トレーダーは、海上輸送の制約が続くことで起こり得るインフレ(物価上昇)リスクを改めて見直し、目先の金融引き締め(中央銀行が金利を上げるなどして景気・物価を抑える対応)の必要性を織り込みにくくした。ただし、CME FedWatch(フェデラルファンド金利先物から利上げ確率を推計する指標)では、年末までにFRB(米連邦準備制度理事会)が0.25%幅(25ベーシスポイント、金利の単位で0.01%=1bp)利上げする確率は45.1%と見積もられている。市場の次の焦点は木曜発表の米PCE(Personal Consumption Expenditures、個人消費支出)物価指数だ。為替市場全体では、ドルは世界の為替取引高の88%超を占め、1日あたり約6.6兆ドルに達する(2022年データ)。