ドイツの第1四半期の実質国内総生産(GDP、国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の合計)成長率(前年同期比)は0.4%だった。
同期間の市場予想(0.3%)を上回った。
ドイツ成長率と株式ボラティリティ(価格変動の大きさ)
今回の成長率は市場予想をやや上回り、景気が底堅い可能性を示す。これは、市場の下落不安をいくらか和らげる材料になり得る。短期的にドイツ株に下値の支えがあると見るなら、DAX指数でアウト・オブ・ザ・マネー(現時点では権利行使しても利益にならない水準)のプット(下落に備える売る権利)を売る戦略が選択肢になる。VDAX-NEW(DAXの予想変動率を示す指数)は足元で14.5近辺にあり、オプションのプレミアム(オプション価格)が極端に高い状況ではないため、この戦略は相対的に検討しやすい。
一方で、このデータはユーロ圏のインフレ指標とあわせて評価する必要がある。2026年4月のユーロ圏インフレ率は2.7%と、中央銀行(欧州中央銀行、ECB)が目標とする水準をなお上回っている。ドイツ景気が強めなら、ECBが追加利下げ(政策金利を下げること)を急がない判断をしやすくなる。この見方は、今週のEURIBOR先物カーブ(銀行間金利EURIBORの将来水準を織り込む先物価格の並び)がややフラット化(期近と期先の差が縮小)した動きにも表れている。したがって、第3四半期の大幅な利下げを前提にした取引は見直したい。
この環境はユーロを小幅に下支えし得る。ユーロ/ドル(EUR/USD)が1.09付近で推移するなか、コールオプション(上昇で利益が出る買う権利)の方が相対的に検討しやすくなる可能性がある。