木曜日の北米時間の取引中盤、アルアラビーヤが「パキスタンの仲介により米国とイランの合意の最終案に到達し、数時間以内に発表される見通し」と報じたことを受け、金は下げを取り戻した。XAU/USD(金の対米ドル、金スポット価格の代表的な表示)は4,538ドル近辺で推移し、ほぼ横ばいとなった。
イランのILNAによると、草案には全ての戦線での即時かつ包括的な停戦と、互いの重要インフラ(エネルギー施設や通信など)を攻撃しない約束が含まれる。さらに、ペルシャ湾およびホルムズ海峡の航行の自由、米国による対イラン制裁の解除、未解決事項を7日以内に協議することも盛り込まれているという。
停戦草案に市場が反応
これに先立つ報道では、イラン最高指導者が濃縮ウランの国外搬出を禁じたとされていたが、アルジャジーラはそのような指示を否定した。WTI(米国の代表的な原油先物指標、ウエスト・テキサス・インターミディエート)は2%超下落して97.50ドルを下回った。一方、米ドル指数(複数の主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は99.13近辺でほぼ横ばいだった。
米新規失業保険申請件数(雇用の弱さ・強さを示す週次指標)は、5月16日終了週に21.2万件から20.9万件へ減少し、市場予想の21.0万件を下回った。S&Pグローバルの製造業PMI(購買担当者への調査で景気の強弱を示す指数)は54.5から55.3へ上昇し、4年ぶりの高水準となった。
FRB議事要旨では、多くのメンバーが政策金利の据え置きを支持し、エネルギー供給の混乱(供給ショック)が続く場合は利上げも検討し得るとの見方が示された。今後はミシガン大学の消費者態度指数(消費者心理の指標)や、新FRB議長ケビン・ウォーシュの就任が注目材料となる。
金は、4,773ドルを上抜けない限り下落基調が続くとの見方が優勢だ。RSI(相対力指数、買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は50を下回っている。下値の目安(サポート)は4,453ドル、4,400ドル、200日SMA(単純移動平均線、長期トレンドの目安)4,346ドル。上値の目安(レジスタンス)は4,590ドル付近、続いて4,600ドル、20日SMA(短期の平均価格)4,619ドル、50日SMA(中期の平均価格)4,678ドル。