米・イラン暫定合意案、制裁緩和が視野に 原油価格と市場変動の沈静化期待

    by VT Markets
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    May 22, 2026

    イランのメディアはアルアラビーヤを引用し、パキスタンの仲介により米国とイランの合意文書の最終案が完成したと報じた。公式発表は数時間以内になる可能性があるという。

    報道された最終案には、即時かつ全面的な停戦が含まれる。双方がインフラ(発電所、港湾、通信設備などの基幹施設)を攻撃対象にしないことも盛り込まれている。

    航行の自由の枠組み

    最終案は、ペルシャ湾およびホルムズ海峡における航行の自由(船舶が妨害されずに通航できること)を保証するとされる。監視は共同の監視枠組み(両者が参加するチェック体制)が担う見通しだ。

    また、イランの履行状況(合意内容を守っているか)に応じて制裁を段階的に解除する内容だという。未解決の論点については7日以内に協議を開始するとしている。

    米・イラン合意の可能性は原油に下押し材料だ。制裁の段階的解除により、数カ月以内にイラン産原油が日量100万バレル超、市場に戻る可能性がある。デリバティブ(価格変動を基に価値が決まる金融商品)取引では、ブレント原油・WTI先物(将来の価格で売買する契約)に対する短期のプット(下落に備える権利)を検討したい。足元の価格は1バレル=約85ドル近辺だ。

    市場に上乗せされてきた地政学リスク・プレミアム(紛争懸念による上乗せ分)は縮小に向かう。世界の原油の約2割がホルムズ海峡を通過するため、緊張緩和はVIX指数(株式市場の不安の大きさを示す指標)を現在の18前後から押し下げる可能性がある。ここでは、ボラティリティ指数(値動きの大きさ)に対するアウト・オブ・ザ・マネー(現状では利益が出ない水準)のコール(上昇に備える権利)を売る戦略が選択肢となる。

    市場への影響と取引アイデア

    2025年を通じた緊張の高まりはエネルギー価格の下支えになってきたが、足元で崩れつつある。2015年のJCPOA(イラン核合意)後には、数カ月で原油価格が30%超下落した経緯がある。今回は同じほど大きくないとしても、似た動きが出る可能性はある。

    また、紛争リスクを織り込んでいた一部セクターは弱含みが見込まれる。防衛関連株は逆風を受けやすく、防衛関連ETF(上場投資信託)に対するプットは検討対象となる。ペルシャ湾での船舶リスク低下により海上保険料(航行リスクに対する保険の費用)は下がり得る一方、戦争プレミアムの消失でタンカー運賃も低下する可能性がある。

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