ポンド急落、エネルギーコスト高が重し 英党首選で変動性上昇も、財政規律が先行きを下支え

    by VT Markets
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    May 22, 2026

    英ポンドはエネルギー価格の上昇を主因に、ユーロと同じような動きで対米ドルで下落している。英国の政局不安は、特に党首選が行われる場合、ポンドと英国国債(ギルト)市場の短期的な値動き(ボラティリティ)を高める見通しだ。

    ただし、このボラティリティは短期間で収まる可能性が高い。レイチェル・リーブス氏が財務相にとどまるなど政策の連続性が保たれれば、既存の財政規律(財政運営ルール)を維持することにつながるとされる。

    財政規律が市場の安定を下支え

    財政規律は市場の安定を下支えすると説明されている。政権や党のトップが変わっても、英国の財政状態(国の家計)が悪化するような政策は想定されにくいという。

    新たな指導部の下で政府支出(公的支出)が増える可能性はあるが、財政規律の範囲内で実施される見通しだ。この組み合わせは、ポンドを支える要因になり得るとされる。

    英ポンドはエネルギー価格の上昇を背景に、ユーロと同様に対米ドルで下落している。首相が退任し、労働党内で党首選が行われるとの報道を受け、ポンドは1ポンド=1.2450ドル近辺で推移している。市場参加者(トレーダー)が当面注視すべきは、この政局不安だ。

    短期のボラティリティを狙う取引戦略

    不透明感を受け、市場の警戒感は強まっている。例えば、GBP/USD(英ポンド/米ドル)のオプションにおける1カ月物のインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の変動率)は、この2週間で約6.5%から8.5%超へ上昇した。ただし、不安定な局面は短期で終わり、取引機会になる可能性がある。

    この見方の根拠は、リーブス財務相の下で財政政策(歳出と税の運営)の連続性が見込まれる点にある。既存の財政規律を守る姿勢は、市場の安定材料とされてきた。これは、2022年のトラス政権期に見られた大きな混乱と対照的だ。党のトップが誰になっても、この枠組みは維持される可能性が高い。

    2025年を通じてギルト市場が比較的落ち着いていた背景には、こうした安定期待があった。足元の政局報道を受け、英国10年国債利回りは4.35%まで小幅上昇したが、大規模な売り(急落)は想定しにくい。ポンドの方向性では、より大きな要因として景気全体の状況があり、先月は英国の天然ガス先物(将来の売買を約束する取引)が12%上昇した。

    そのため、足元のインプライド・ボラティリティの上昇は行き過ぎで、取引機会になり得る。短期のポンドのボラティリティを売る(変動率低下で利益を狙う)戦略として、ストラングル売り(権利行使価格の異なるコールとプットを同時に売る)やプット売り(下落に備える権利を売る)が提案されている。党首選の状況が明確になり、市場の焦点が安定した財政見通しに戻れば、ボラティリティが低下し、この戦略が有利になり得る。

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