台湾の外需は、テクノロジー関連の輸出を中心に、引き続き成長の主なけん引役になる見通しだ。輸出受注は前年同月比の伸びが鈍化しても、高水準を維持すると予想される。
台湾は輸出受注統計を公表する。市場予想は前年同月比54.3%増。年初から輸出受注は強く、外需の勢いが続いていることを示す。
高付加価値のテクノロジー製品の価格上昇が、輸出額(名目値)と全体の成長を押し上げている。一方で、同じ価格上昇が輸入コストも押し上げ、貿易収支(輸出から輸入を差し引いた差)の改善効果は一部相殺される。
この流れは2025年を通じて強まってきた。台湾の成長を支える最大の要因は、テクノロジー分野の外需の強さだった。台湾・経済部の最新データによると、2026年4月の輸出受注は前年同月比14.8%増と堅調で、勢いの継続が確認された。これは、半導体などテクノロジー分野の基調がなお強いことを示している。
需要の中心は、先端AI(人工知能)向けや高性能計算(HPC:大量の計算を高速に行う用途)向けの先端半導体チップだ。企業決算にも表れている。例えばTSMC(台湾積体電路製造)の2026年4月売上高は過去最高の2,390億台湾ドルとなった。主因は先端プロセス(微細化した製造技術)への受注の継続だ。こうした企業レベルの強さが、輸出全体の強気見通しを支える。
市場参加者にとっては、台湾のテクノロジー株に前向きな見方を維持する材料となる。選択肢の一つとして、iShares MSCI Taiwan ETF(EWT、台湾株指数に連動する上場投資信託)のコールオプション(一定価格で買う権利)で、幅広く台湾市場へのエクスポージャー(投資の持ち高)を取る戦略が考えられる。需要が続く前提では、2026年7〜9月期に満期を迎えるオプションで、上昇余地を取り込む狙いがある。
輸出の強さは台湾ドル(TWD)にも上昇圧力をかけている。TWDは2026年3月以降、対米ドルで2%以上上昇し、足元は1ドル=31.4台湾ドル前後で推移している。通貨面の影響を狙う投資家にとって、TWD/USD先物(将来の特定日に一定価格で取引する契約)も注目される。
一方で、半導体への依存度が高い点は変動の大きさ(価格の振れ)につながる。TSMCオプションのインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の変動率)は過去平均より高い水準が続いており、地政学的な協議が続く状況を反映している。このため、主要テック銘柄でキャッシュ・セキュアド・プット(現金を確保したうえでプット=一定価格で売る権利を売却し、プレミアム=オプション料を受け取る手法)を売り、オプション料を得ながら、下落局面での買い付け価格(参入水準)をあらかじめ定める戦略も選択肢となる。