オーストラリア(豪州)に関する米商品先物取引委員会(CFTC)のデータでは、豪ドル(AUD)の「非商業部門」(ヘッジ目的ではなく投機目的の参加者)の「ネットポジション」(買い建てから売り建てを差し引いた差し引き建玉)が8.5万枚に増加した。前回は7.87万枚だった。
投機資金が豪ドルの強気(上昇)見通しを強め、ネットの買い越し(ネットロング)が8.5万枚まで拡大している。これは、短期的に豪ドル高を見込む見方が広がっていることを示す。こうした動きは、相場が上向く前に現れることがあるため、注視したい。
商品市況の底堅さが豪ドルを支える
背景には、豪州経済に影響が大きい商品(コモディティ)市況の強さがあるとみられる。例えば鉄鉱石価格は、中国の産業需要が安定していることを受け、1トン当たり120ドル超で下げ止まっている。これは豪ドルにとって基礎的な追い風(ファンダメンタル要因)となる。
また、豪州準備銀行(RBA)と米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の違いも重要だ。RBAはインフレ抑制のため政策金利(現金金利)を4.5%で維持している一方、米国では失業保険申請件数の増加を受け、7〜9月期(第3四半期)に利下げが行われるとの観測がある。金利差(利回りの差)が豪ドル保有の魅力を高める。
こうした環境を踏まえると、米ドルに対して豪ドルがさらに強含む可能性を念頭に置きたい。具体策としては、AUD/USD(豪ドル/米ドル)のコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)を買う、またはブル・コール・スプレッド(高い行使価格のコールを売り、低い行使価格のコールを買う組み合わせで費用を抑える手法)を検討する余地がある。いずれも上昇余地を狙いながら、最大損失を限定できる。
注目すべきリスク
一方で、世界的なリスク回避(投資家が安全資産に資金を移す動き)が強まれば、豪ドルは市場の値動き(ボラティリティ)に左右されやすく、上昇分が急速に巻き戻される恐れがある。中国の主要経済指標や、FRBの発言姿勢の変化には注意が必要だ。米国側から想定以上に強気(高金利を続ける姿勢)のサインが出れば、豪ドル高シナリオには逆風となる。