英政治情勢の緊迫化と米経済指標の上振れでポンド急落、GBP/USDは4月以来の安値に

    by VT Markets
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    May 15, 2026

    GBP/USDは4日続落し、週ベースで2%超の下落となる見通し。1.3343近辺で推移し、4月8日以来の安値となった。

    英国の政局混乱がポンドの重しとなった。将来の首相が財政赤字(政府の支出が税収を上回る状態)を拡大するとの観測が広がっている。ウェス・ストリーティング保健相が辞任し、ロイターは、労働党議員が議席を辞する意向を示したことを受け、アンディ・バーナム氏に党首選への挑戦につながる道筋が提示されたと報じた。

    リスク回避とドル高

    ドナルド・トランプ氏がイランに不満を示し、「これ以上あまり我慢しない」と発言したことで、リスク回避(安全資産が選好される動き)が強まった。WTI(米国産原油の指標)は2.39%超上昇。米ドル指数(主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は99.29と0.39%上昇した。

    エネルギー価格の上昇はインフレ(物価上昇)懸念を強め、世界の国債利回り(債券の利回り=市場金利の目安)を押し上げた。Prime Terminalのデータでは、2026年末までに米国が利上げする織り込み(市場が想定する確率)は50%となった。

    米4月の鉱工業生産は前月比0.7%増と、市場予想の0.3%増、3月の0.3%減を上回った。来週は、英国の雇用統計、インフレ指標、速報PMI(購買担当者景気指数=企業調査に基づく景況感指標)、小売売上高に加え、英中銀(イングランド銀行)関係者の発言が予定される。米国では住宅指標、雇用関連指標、FRB(米連邦準備制度理事会)関係者の発言が見込まれる。

    GBP/USDは1.3320近辺で推移し、50日・100日・200日移動平均線(一定期間の平均値でトレンドをみる指標)がおおむね1.3430付近にある中、その下で推移。RSI(14)(相対力指数=買われ過ぎ・売られ過ぎを測る指標)は37近辺。上値抵抗(上昇を抑えやすい水準)は1.3430、次いで1.3616にある。

    戦略とポジショニング見通し

    現在の市場環境を踏まえると、ポンドは対ドルで一段安になりやすい。英国の政治不安と、米景気の底堅さが組み合わさり、GBP/USDには下押し圧力(弱気材料)が強い。両国の経済の差が主題となっている。

    スターマー首相に対する党首交代の動きは不確実性を高め、2022年の財政方針を受けてポンドが急落した際の市場反応を想起させる。市場は、後継者が赤字を拡大する政策を進めることを警戒しており、一般に財政悪化は通貨安につながりやすい。英国のインフレ率は2025年の大半で3%を上回っており、英中銀は景気下支えのために利下げ(政策金利の引き下げ)を進めにくい。

    一方、ドルは強含んでいる。強い鉱工業生産に加え、2025年末まで続いた堅調な雇用統計の流れを受け、市場はFRBのより強い引き締め(利上げや高金利維持)を意識している。今年末までの利上げ確率は50%と、数週間前から大きく上昇した。

    イランを巡る地政学リスクが原油高を促し、この流れを強めている。英国はエネルギー輸入国であり、エネルギー価格の上昇は家計・企業に実質的な負担を与え、成長見通しを下押ししやすい。対照的に、ドル高と米金利上昇の可能性はドルの相対的な魅力を高める。

    この環境ではGBP/USDの変動が大きくなりやすい。テクニカル面でも下落基調を示し、重要な上値抵抗である1.3430を明確に下回っている。この水準への短期的な戻りは、トレンド転換ではなく戻り売り(反発局面で売る戦略)と捉えたい。

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