金(XAU/USD)は木曜日、米国・イラン協議の不透明感と米金融政策の引き締め長期化観測を背景に米ドルが上昇したことで、やや上値の重い展開となった。XAU/USDは4,680ドル近辺で推移し、火曜日に約3週間ぶり高値となる4,773ドル近辺を付けた後に伸び悩んだ。
市場では、米金利(政策金利=中央銀行が景気や物価を調整するために設定する短期金利)が「高水準で長期間続く(higher for longer)」との見方が意識された。これは、インフレ指標で中東戦争に関連したエネルギーコストが家計・企業の物価負担を2カ月連続で押し上げたことが示され、物価圧力が再び強まっていると受け止められたためだ。年末までにFRB(米連邦準備制度理事会)が追加利上げを行う可能性への見方も強まり、雇用情勢が底堅いことがその背景にある。
米国債利回り(米国債の利息収入の割合)が上昇し、米ドルが堅調だったことも、利息を生まない金(非利回り資産)の上昇を抑えた。米ドル指数(DXY=主要通貨に対するドルの強さを示す指数)は98.54近辺で推移し、1週間超ぶりの高水準に近づいた。
ボストン連銀のコリンズ総裁は、インフレを冷ますために利上げが必要となる可能性があり、金融政策は当面引き締め的(景気を冷やす方向)な状態が続く可能性があると述べた。過去1年の雇用増加は損益分岐点に近く、失業率は比較的低い水準にとどまっているとも指摘した。
トランプ氏は北京で2日間の首脳会談に臨み、貿易、台湾、イラン戦争が議題となった。ロイターが引用したホワイトハウスの説明によると、協議には市場アクセス(海外企業がその国の市場で事業を行える度合い)、中国からの投資、ホルムズ海峡の航行維持、イランの核兵器保有阻止が含まれた。
テクニカル面では、XAU/USDは21日移動平均線(SMA=一定期間の平均値を結んだ指標)である4,684ドル近辺を上回る一方、50日SMAの4,740ドル近辺を下回った。200日SMAは4,341ドル近辺。RSI(相対力指数=買われ過ぎ・売られ過ぎを示す指標)は50付近、MACD(移動平均収束拡散法=トレンドの強弱をみる指標)は落ち着いた動き。上値抵抗は4,740ドル、次いで4,850ドル。下値支持は4,684ドル、その次が4,500ドル、4,341ドルとされた。