BIS実質実効為替レート(REER)はユーロ/ドルの収れんを示唆 割安な円が欧州に圧力、介入警戒も強まる

    by VT Markets
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    May 14, 2026

    BIS(国際決済銀行)の実質実効為替レート(REER:物価の違いも考慮し、貿易相手国との通貨の総合的な強さを示す指数)を見ると、過去5年の変化率ベースで、この半年はユーロと米ドルの割高・割安の差が縮小している。円はREERベースで依然として割安だ。

    米国と日本の為替に関する協調(当局同士が市場の過度な変動を抑える目的で情報交換や対応を合わせること)は、すでに進行中とされる。ユーロとドルのレンジ(一定の値幅での推移)を左右する追加の材料は、米国の技術力の強さや、欧州の防衛面での自立といった構造要因(景気など短期要因ではなく、長く効く背景)に結び付く。

    円の割安と構造的な違い

    日本は同様の追い風が乏しく、円は長期的な下落が続いているとされる。これは「円が上がらない」という単純な話とは異なる枠組みで語られている。

    円安の定着は、輸出で競合しやすいことから、米国よりもユーロ圏の輸出企業にとって競争上のリスクが大きいとされる。一方で、この競争は時間とともに弱まり、とくに自動車分野では中国の台頭が世界市場を変えたと指摘される。

    米財務長官のスコット・ベッセント氏の訪日時には、ドル/円(USD/JPY)が再び急落する場面があった(短時間の下落)。市場は月末の介入統計(政府が為替市場で通貨を売買した金額)を注視し、財務省(為替介入を担う当局)の動きがどの程度だったかを見極める。これまでのところ、効果は限定的とされる。

    円は大幅な割安が続き、対ドルで安値を試す展開が続いている。ドル/円が170円近辺で推移するなか、米国と日本の金利差(政策金利や短期金利の差)が最大の要因で、当局の介入の効果を上回っている。2024年と同様、介入は一時的な歯止めにとどまりやすく、短期的には値動きが荒くなることが最も起こりやすい。

    この不確実性に備える手段として、デリバティブ(株や為替などを元にした金融商品)取引ではオプション(将来、決められた価格で売買する権利)での調整が考えられる。ドル/円のアウト・オブ・ザ・マネーのプット(現在の水準より円高方向に離れた行使価格の「ドルを売る権利」=急な円高に備える)を買うことは、財務省がより強い行動に出た場合の急な円高に備える方法になり得る。2026年4月のデータでは、日本は約9兆円を投じて介入したとされ、規模は大きいが、それでも円安が続いており、基調は弱いままを示す。

    欧州への波及(通貨ペアへの影響)

    欧州は米国よりも円安の長期化の影響を受けやすく、通貨の組み合わせ(クロス通貨:米ドルを介さない通貨ペア)での機会が生まれやすい。最新のBISデータでは、円のREERが数十年ぶりの低水準となり、日本の輸出企業の競争力がユーロ圏に対して相対的に高まっている。とくに自動車分野で影響が大きい。このため、欧州中央銀行(ECB)による口先介入(発言で為替をけん制すること)が出れば、ユーロ/円(EUR/JPY)に下押し圧力がかかる可能性がある。

    一方、ユーロとドルの評価の差が縮小していることは、ユーロ/ドル(EUR/USD)が当面レンジになりやすいことを示す。米国の技術面での優位が一段と明確になる、あるいは欧州の防衛政策が大きく変わる、といった強い材料がなければ、はっきりした上放れ・下放れ(レンジを抜ける動き)は起こりにくい。この環境は、低い変動で利益を狙う戦略に向く。例えばストラングルの売り(異なる行使価格のコールとプットを売り、値動きが小さいと利益になりやすい)や、アイアン・コンドル(オプションを組み合わせて利益と損失の範囲を限定する戦略)の構築が挙げられる。

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