NOK/SEKは年初来で約11%上昇した。背景には、ノルウェー中銀(Norges Bank)が金融引き締めを重視する姿勢(インフレ抑制を優先し、利上げや高金利維持に前向きな姿勢)に傾いた一方、スウェーデン中銀(リクスバンク)が政策金利を据え置いたことがある。ノルウェーのインフレ圧力が粘着的(下がりにくい)で、先週のNorges Bankの利上げと同日に、リクスバンクが据え置きを決めたことが材料となった。
ノルウェーがエネルギー輸出国である点も、ノルウェークローネを支える要因とされる。スウェーデンでは、財政政策(政府の支出や減税など)が消費を下支えし、基調的なインフレ圧力(物価の持続的な上昇につながりやすい力)を強める可能性がある。
Outlook For Nok Sek
ラボバンクのFXストラテジー・チームは、今後数カ月にNOK/SEKがさらに上昇する可能性があるとみる。同チームは、押し目(下落局面)でNOK/SEKを買う方針で、3カ月目標を1.02としている。
振り返ると、2025年に見られた中銀政策の方向性の違い(片方が引き締め、もう片方が緩和・据え置き)は、ノルウェークローネがスウェーデンクローナに対して上昇する強い材料だった。下落局面でNOK/SEKを買う戦略は奏功し、同年にNOK/SEKは1.02の目標水準を上回った。これは、Norges Bankがインフレ対策として利上げを進める一方、リクスバンクが据え置きを続けたことが背景にある。
現在(2026年5月14日)も、似た形で政策金利の差(両国の金利水準の開き)がクローネを支えている。先週、スウェーデンのリクスバンクは、インフレの改善を理由に政策金利(中銀が設定する短期金利の基準)を3.75%へ引き下げた。対照的にNorges Bankは政策金利を4.50%に据え置き、想定より長く高金利を維持する可能性を示した。
こうした違いは経済指標でも裏付けられる。スウェーデンの最新インフレ指標は2.3%へ低下し、リクスバンクが金融緩和(利下げなどで景気を支える政策)を始める自信につながった。一方、ノルウェーはコアインフレ(エネルギーや食品など変動の大きい項目を除いた物価)がおよそ4.4%と高止まりしており、中銀が引き締め姿勢を維持せざるを得ない状況だ。
Trade Implementation And Risks
デリバティブ(株価指数先物やオプションなど、価格が別の資産に連動する金融商品)を扱う投資家にとって、これは向こう数週間にNOK/SEKのロング(買い持ち)を検討する根拠となる。NOK/SEKのコールオプション(一定期限までに決められた価格で買う権利)を残存期間2〜3カ月で購入することは、上昇余地を狙ううえで妥当な手段と考えられる。この戦略は、上昇局面の利益機会を得つつ、最大損失(支払ったオプション料に限定されやすい)を明確にしやすい。
ノルウェーがエネルギー輸出国である点も追い風で、ブレント原油(国際的な原油価格の代表指標)は1バレル=83ドル前後で推移している。政策金利の差が再び意識されるなか、1.0300近辺への押し目を新規の買い場として注視する。今後3カ月では1.0600近辺への上昇を見込む。