英国の国内総生産(GDP、一定期間に国内で生み出されたモノやサービスの付加価値の合計)は、第1四半期に前年比1.1%増となった。市場予想の0.8%増を上回った。
この統計は、当該期間の年間成長率が予想より速かったことを示す。第1四半期を1年前の同じ四半期と比べたものだ。
金融政策への示唆
今回の予想上振れは、英国経済の勢いが想定より強いことを示す。直近の影響として、イングランド銀行(BOE、英国の中央銀行)による利下げ(政策金利の引き下げ)の時期が後ずれしやすい。従って、近い将来の利下げで恩恵を受けるポジション、例えば英国債(ギルト、英国政府が発行する国債)を買い持ち(ロング、価格上昇を見込んで買うこと)する戦略の比重は下げたい。
4月の最新インフレ指標でも、総合インフレ率(ヘッドライン、食品やエネルギーを含む全体の物価上昇率)は2.3%と、目標の2%を上回っている。成長の上振れは、BOEが金融緩和(政策金利の引き下げなど、景気を下支えする政策)に動く必要性を弱める。すでにSONIA先物市場(英ポンドの短期金利指標SONIA=無担保翌日物金利を基にした先物)では、秋前の利下げ確率が低下している。戦略は、政策金利(銀行の基準となる金利)であるバンク・レート5.25%が、これまでの想定より長く維持される可能性に合わせる必要がある。
金利見通しの変化は、英ポンドに追い風となりやすい。ユーロやスイスフランのように、よりハト派(金融緩和に前向き)と見られる中央銀行の通貨に対し、ポンド買い(GBPロング)を検討したい。リスク管理には通貨オプション(将来の特定期日に、あらかじめ決めた価格で通貨を売買できる権利)を用いる。GBP/USDのオプションでは、インプライド・ボラティリティ(市場が見込む将来の変動の大きさ)が約7%近辺へ上昇しており、BOEの今後の政策経路に対する市場の見直しを反映している。
株式市場では、景気の底堅さは企業利益にプラスで、特に国内景気の影響を受けやすいFTSE250(英中型株指数)に追い風となる。2025年後半に広がっていた減速懸念から、見方が変わりつつある。
株式戦略の検討
英株の上昇余地に備え、FTSE250指数のコールオプション(上昇時に利益が出やすい買う権利)を買う戦略が考えられる。