英国のサービス業生産指数(3カ月平均との差、前3カ月比)は3月に0.8%上昇した。市場予想は0.6%だった。
今回の結果は予想を0.2ポイント上回った。この統計は「直近3カ月の平均」を「その前の3カ月の平均」と比較する。
サービスの上振れが底堅さを示唆
3月の英国サービス統計が予想以上に強かったことは、英国経済が想定より底堅いことを示している。これは、2025年の大半に見られた景気の弱さという見方を揺さぶる材料だ。その結果、イングランド銀行(BoE、英国の中央銀行)が夏に利下げする可能性は低下したとみられる。
金利市場での注目点も変わる。目先の利下げを前提にしたポジションは取りにくくなり、第3四半期のSONIA先物(英ポンドの翌日物金利であるSONIAをもとに将来の金利水準を織り込む先物)は魅力が後退している。最新のインフレ統計では、4月の消費者物価指数(CPI、一般家庭が購入するモノやサービスの価格の平均的な動き)が2.5%と、目標の2%をなお上回る。BoEが急いで金融政策(政策金利の変更など)を動かす理由は乏しい。
為替市場では、英ポンドの下支え要因になり得る。BoEが欧州中央銀行(ECB、ユーロ圏の中央銀行)より金融引き締めに前向き(ハト派=金融緩和寄りの反対で、引き締め寄りの姿勢)になれば、ポンド/ユーロ(GBP/EUR)の上昇につながる可能性がある。ユーロに対するポンドの買い持ち(ロング)は、リスク管理のためオプション(あらかじめ決めた価格で買う・売る権利)を使った形も含め、妙味が増している。
英国株指数への影響は一様ではない。内需の強さは、英国内景気の影響を受けやすいFTSE 250(中型株中心)の利益にプラスだ。一方、金利が高止まりしやすい環境は、海外売上比率が高いFTSE 100(大型株中心)の上値を抑え得る。FTSE 100は年初来で7%超上昇している。
今後の注目点
今後数週間は、今回の底堅さが続くかを確認する局面となる。小売売上高や購買担当者景気指数(PMI、企業の購買担当者への調査をもとに景気の拡大・縮小を早期に示す指標)が重要だ。さらに上振れが続けば、BoEが政策を据え置く(政策金利を変更しない)との見方が強まり、これらの取引見通しを支える。