人民元が39カ月ぶり高値に上昇、トランプ・習会談で市場の変動性が拡大

    by VT Markets
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    May 14, 2026

    USD/CNHは、4月30日に付けた39カ月ぶり安値(6.7815)以降の下落が続いた。トランプ米大統領と習近平・中国国家主席の首脳会談が北京で始まった木曜のアジア時間には、6.7850近辺で推移した。

    会談は、関係の安定維持と世界の安全保障に関する発言で始まった。トランプ氏は、関係が改善すると見込むと述べた。

    Board Of Trade Framework

    関係者によると、重要性が低い(安全保障などに直結しにくい)品目約300億ドル分の関税を引き下げるため、「Board of Trade(貿易委員会のような枠組み)」の導入が検討されている。協議では、イラン情勢、貿易不均衡(輸出入の差)、人工知能(AI:人間の知的作業を機械で行う技術)、台湾も議題になる見通しだ。

    首脳会談は中東情勢の緊張で数週間遅れた。トランプ氏は、ホルムズ海峡(中東の主要な原油輸送ルート)の再開に向け、中国がテヘラン(イラン政府)に働きかけるよう求めるとみられる一方、イランを主要議題とはしない姿勢も示す見通しだ。

    貿易戦争とは、関税(輸入品にかける税)などの保護主義的な措置を取り、相手国が報復措置で応じる形の経済対立を指す。こうした措置は輸入コストを押し上げ、生活費の上昇につながりやすい。

    米中の貿易対立は2018年初に始まり、2020年1月に「第1段階合意(Phase One:追加関税の一部見直しなどを定めた合意)」に至った。バイデン政権は関税を維持し、一部で追加課徴金(追加の税負担)も導入した。その後、トランプ氏が第47代大統領として復帰し、60%の関税を公約し、2025年1月20日に実施した。

    Market Volatility Outlook

    人民元(中国の通貨)が足元で堅調なことを踏まえると、今回のトランプ—習会談は市場の変動(ボラティリティ:価格が大きく上下する度合い)要因になり得る。USD/CNH(米ドルと中国人民元のオフショア市場の為替レート、オフショア=中国本土外で取引される人民元)は39カ月ぶりの低水準で、市場の楽観を映している。ただし、協議が行き詰まれば急反転する可能性がある。デリバティブ(金融派生商品:元となる資産の価格に連動する商品)取引では、上下どちらにも大きく動く事態に備え、オプション(将来、あらかじめ決めた条件で売買できる権利)でヘッジ(損失回避)や収益機会を検討する動きが想定される。

    USD/CNHのオプションで示されるインプライド・ボラティリティ(市場参加者が織り込む将来の変動見通し)は高まりやすい。2018~2019年の米中対立局面でも同様の動きが見られた。ストラドル(同じ条件のコールとプットを同時に買う戦略)やストラングル(異なる条件のコールとプットを同時に買う戦略)は、会談結果に関係なく大きな値動きに備える手段となる。反対に、市場が値動きを過大評価していると見る場合は、アイアン・コンドル(複数のオプションを組み合わせ、一定レンジ内の推移で利益を狙う戦略)のようにボラティリティを売る(変動が小さいほど有利な)手法も選択肢となる。

    不確実性は株式市場にも直結する。特にVIX(米国株の予想変動を示す指数で「恐怖指数」と呼ばれる)は警戒材料だ。2019年8月には、予想外の関税発表でVIXが1日で40%超上昇した例がある。今週の会談が悪い結果に終われば同様の急騰が起き得るため、VIXのコールオプション(上昇時に利益が出やすい権利)や、VIX連動ETF(上場投資信託:指数に連動するよう設計された商品)を活用したヘッジが検討される。

    また、中国にサプライチェーン(部品調達から製造・物流までの供給網)依存が大きい企業、半導体や消費者向け電子機器の関連企業には注意が必要だ。米国の対中貿易赤字(輸入超過額)は2023年に2,794億ドルだった。さらに、トランプ氏の復帰後に導入された60%関税が、すでに取引関係の負担を重くしている。提案される「Board of Trade」枠組みに関する報道は、個別株オプションやセクターETF(業種別ETF)の価格に強く影響しやすい。

    大豆などのコモディティ(商品先物などの実物資産に連動する取引)も不安定になりやすい。過去には報復関税の主要標的となった。2018年には中国が米国産大豆の購入を抑え、大豆先物が急落した。合意が進展すれば先物が急伸する一方、決裂すれば下押し圧力が強まる可能性があり、農産物オプションは注目分野となる。

    最後に、イランとホルムズ海峡を巡る議論はエネルギー市場の大きなリスク要因だ。外交的に進展すれば緊張が和らぎ、原油価格に下押し圧力がかかる可能性がある。一方で、中国が協力に消極的と受け止められれば、対立激化の兆候とみなされかねない。海峡が封鎖されれば原油価格が20~30%跳ね上がるとの見方もあり、WTI(米国産原油の指標)やブレント(北海産原油の指標)のオプションは地政学リスクに直接備える手段となる。

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