米インフレ再燃とホルムズ海峡の混乱で、ウォーシュ氏のFRB早期利下げ論に疑念—ドル高に

    by VT Markets
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    May 13, 2026

    米国のインフレ率の上昇とエネルギー価格の高騰により、次期FRB(米連邦準備制度理事会)議長のケビン・ウォーシュ氏の下で早期利下げ(政策金利を引き下げること)の見通しは不透明になっている。市場はFRBの政策リスク(金融政策が予想から外れるリスク)を見直しており、米ドルの下支え材料となっている。

    各国の中央銀行は現時点で、エネルギー価格の急騰(エネルギーショック)を一時的なものとみなしている。ただしホルムズ海峡の封鎖が長引けば、エネルギー価格が高止まり、あるいは一段と上昇する恐れがあり、リスクは高まる。

    インフレとエネルギーショック

    米国のインフレが上昇を続ける、またはインフレ期待(将来の物価上昇率の見通し)が高まる場合、FOMC(連邦公開市場委員会:FRBの金融政策を決める会合)は引き締め寄り(金融環境を厳しくする方向)の姿勢を強める可能性がある。すでに一部のFOMCメンバーは、物価上昇圧力への警戒を示している。

    インフレの高止まりが続けば、利下げの実施は難しくなる。ホルムズ海峡は、短期的なインフレと金融政策の方向性を左右する主要要因と位置づけられている。

    市場は今後数週間のFRBの政策運営を見直す必要がある。利下げ期待が後退し、2025年後半から強まっていたインフレ圧力が弱まっていないことが、ウォーシュ新議長による金融緩和(景気を支えるために金利を下げること)の余地を狭めている。この結果、中央銀行のタカ派(利上げ・引き締め寄り)姿勢は想定より長引く可能性がある。

    市場の織り込みとドル高

    2026年4月のCPI(消費者物価指数:家庭が購入する商品・サービスの価格変動を示す指標)では、前年同月比が3.8%上昇し、FRBが重視する物価目標を大きく上回り、予想も上回った。背景にはエネルギーコストの上昇があり、ホルムズ海峡の封鎖が解消しないなか、WTI原油先物(米国産原油の先物取引)6月限は1バレル95ドル近辺で推移している。これらの数値は、早期の利下げに否定的なタカ派メンバーの主張を後押しする材料となる。

    金利デリバティブ(将来の金利水準に連動する金融派生商品)の観点では、「高金利が長期化(higher for longer)」という前提を意識したポジションが示唆される。FF金利先物(米国の政策金利見通しを反映しやすい先物)で見ると、7月FOMCまでの利下げ確率は20%を下回り、前年末時点で織り込まれていた約60%から大きく低下した。短期金利の高止まり(または上昇)や、ボラティリティ(価格変動の大きさ)の上昇が有利になり得る戦略を検討すべきだろう。

    金融政策の方向性の違い(政策分岐)は米ドルを押し上げている。ドル指数(DXY:主要通貨に対する米ドルの強さを示す指数)は12カ月ぶり高値となる107.50付近まで上昇した。他国の中央銀行が利下げに傾きやすい一方、FRBは慎重姿勢を強めているためだ。エネルギー高の影響を受けやすい経済圏の通貨に対して、ドル買い(ロング・ドル)を検討する余地がある。

    この状況は、2022年のエネルギーショック時にFRBが景気後退懸念が強まる中でも積極的な利上げでインフレ抑制を優先した対応を想起させる。数年前の前例を踏まえると、中央銀行は信認(市場からの信用)を損なう早期利下げを避ける可能性が高く、現環境ではウォーシュ氏がハト派(利下げ・緩和寄り)への転換を実現するのは難しい。

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