ロイターの調査によると、欧州中央銀行(ECB)が6月に**預金金利(銀行がECBに資金を預ける際に適用される金利)**を**25ベーシスポイント(0.25%ポイント)**引き上げ、**2.25%**にするとの見方が経済学者の大半を占めた。今回の調査では70人中59人がこの動きを予想し、4月調査(85人中44人)から引き上げ予想が増えた。
同じ調査では、2026年に追加利上げが行われるとの見方も示された。2026年に預金金利が**少なくとも2回**引き上げられると予想したのは70人中37人で、4月調査(85人中34人)より増加した。
調査の的中度と示唆
昨年のこの調査を振り返ると、2025年6月の25ベーシスポイント利上げを正しく予測していた。これにより預金金利は2.25%となり、市場環境を左右する金融引き締め(利上げなどで景気の過熱と物価上昇を抑える政策)の流れが明確になった。過去の的中度は、中長期の予想にも一定の信頼性を与える。
注目は「2026年に少なくとも2回の利上げ」という見通しだ。ECBは今年3月に25ベーシスポイントの利上げを実施し、預金金利は2.50%となった。市場は次の利上げが夏に行われる可能性を織り込みつつある。
最近のデータもこの見方を補強する。ユーロ圏の**コアインフレ(価格変動が大きいエネルギーと食品を除いた物価上昇率)**は、ユーロスタット(EU統計機関)の速報値で4月も**2.7%**と高止まりした。市場の織り込みも強く、**Euribor先物(ユーロ圏の短期金利指標Euriborをもとにした先物取引)**の2026年7月限は、同会合までに追加利上げが行われる確率を**90%超**と示唆する。ECBが利上げを見送れば、市場の想定とずれる可能性がある。
金利デリバティブ(先物・オプションなど、金利を対象にした金融派生商品)取引では、単純に「利上げ」を狙う取引はすでにコストが高い。焦点は**ボラティリティ(価格変動の大きさ)**で、次の判断の時期や声明の内容はなお不確実だ。短期金利先物に対する**ストラドル(同じ行使価格のコールとプットを同時に買う戦略で、大きな値動きで利益を狙う)**など、ECB発表による想定外の動きに備える手段が検討される。
FX(為替)ポジションへの示唆
為替市場では、ECBの利上げ継続見通しが、より長い様子見を示唆する米連邦準備制度理事会(FRB)と差を広げている。この金融政策の違いがユーロ高の要因になってきた。夏にかけてユーロの上振れ余地を狙うなら、**EUR/USDのコールオプション(一定価格でユーロを買う権利)**の活用が選択肢となる。