世界の株式は昨日、場中安値では1%安まで下げた後、終値では0.3%安となった。
米S&P500指数では半導体関連が、日中は約4.5%安まで売られた後、引けでは1.4%安だった。
半導体は急騰後にいったん休止
過去1カ月、半導体関連は35%上昇した。
ディフェンシブ(景気の影響を受けにくい)セクターが相対的に堅調で、ヘルスケアが1.9%高、生活必需品が1.6%高となった。
米国では、S&P500指数が0.2%安、ナスダック総合指数が0.7%安、ラッセル2000指数(小型株指数)が約1%安だった。
アジア株は今朝、序盤に下げた後、おおむね上昇した。
銘柄入れ替えとリスク回避に備える
昨日の半導体の1.4%下落は、大きな下落局面の始まりというより、自然な「一服(短期的な調整)」とみている。過去1カ月で35%も上昇した反動で、短期の利益確定売り(値上がり益を確定するための売り)が出やすい局面だ。
トレーダーにとっては、足元の利益を守るためのヘッジ(損失を抑える保険のような取引)や、短期の過熱感が落ち着く局面に備える余地がある。CBOEボラティリティ指数(VIX、S&P500の予想変動率を示す「恐怖指数」)は相対的に低い水準で、昨日は13.8で引けた。このため、ナスダック100連動ETFのQQQなど主要指数のプットオプション(一定価格で売る権利。下落局面の保険として使う)が比較的割安になりやすい。数週間先に満期(期限)が来るプットを買うことは、ハイテクの弱含みに備える実務的な手段となる。
同時に、ヘルスケアが1.9%高とディフェンシブが上回ったことは、ローテーション(資金が成長株から安定株へ移る「銘柄・セクターの入れ替え」)を示すサインだ。高成長のテックから、比較的値動きが小さく配当を出しやすい(株主還元が期待されやすい)セクターへ資金が移る流れは、2022年初めの相場環境を想起させる。こうした流れに乗る手段として、ヘルスケア・セクターETFのXLVなどディフェンシブETFのコールオプション(一定価格で買う権利。上昇局面を狙う)を検討する選択肢がある。
ラッセル2000の1%下落も、より広いリスクオフ(リスク資産を減らし安全寄りにする動き)を示唆する。小型株は景気不安に反応しやすい傾向があるためだ。先週の新規失業保険申請件数は、2026年5月8日終了週で23万5,000件に増加した。これは慎重姿勢を後押しする材料となりうる。短期的に上値が重いとみるなら、IWM(ラッセル2000連動ETF)でコール・クレジット・スプレッド(コールを売って保険のコールを買い、受け取るプレミアム収入を狙う取引。上昇の利益は限定されるが、一定の下落・横ばいを想定する)を組むことで、上昇が抑えられる展開に備える方法もある。