米国のコア消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は4月に335.423へ上昇した。前回は334.165だった。
前月から1.258ポイント上昇した。ここでいう「コアCPI」は、価格変動が大きい食品とエネルギーを除いた物価の指標(インフレの基調を示しやすい)である。
コアインフレは高止まり
最新のコアCPIは、期待されたほど物価上昇が鈍っていないことを示した。前月比は約0.4%増で、市場予想の0.3%を上回り、基調的な物価上昇圧力が強い状態が続いている。これは、米連邦準備制度理事会(FRB、米国の中央銀行)が利下げ(政策金利の引き下げ)を先送りする可能性が高いことを意味する。
金利デリバティブ(将来の金利変動に連動する先物・オプションなど)では、FRBがより「タカ派」(インフレ抑制を優先し、金利を高めに保ちやすい姿勢)に傾く前提で調整が必要だ。市場は利下げ時期の見通しを急速に修正しており、フェドファンド先物(FRBの政策金利見通しを織り込む金融商品)では、9月利下げの確率が60%超から30%未満へ低下したとされる。年後半の大幅な利下げを織り込んでいたユーロダラー先物(米短期金利を反映する先物。現在はSOFR系商品が中心)やSOFR先物(担保付翌日物調達金利=SOFRに連動する短期金利先物)では、売り(価格下落=金利上昇方向)を検討しやすい局面となる。
株式市場では、インフレ高止まりは逆風となりやすい。特に成長株やハイテク株は、資金調達コスト(借入金利)の上昇に弱い。市場の変動も拡大しやすく、Cboeボラティリティ指数(VIX、S&P500の予想変動率を示す「恐怖指数」)はすでに15%以上上昇して17を上回った。ナスダック100連動ETF(QQQ)やS&P500連動ETF(SPY)のプット(一定価格で売る権利のオプション)購入など、防御策の優先度が高まる。
この結果は、米ドル高要因にもなる。金利差(米国と他国の金利水準の差)が広がりやすいためだ。米ドル指数(DXY、主要通貨に対するドルの強さを示す指数)はすでに6カ月ぶり高値へ上抜け、金融政策の方向性の違いを反映している。先物やオプションを用い、ユーロや円に対するドルの買い持ち(ロング)を検討しやすい。
過去のインフレ上振れからの教訓
この状況は、2025年春に粘着的なインフレ指標が続き、FRBの政策転換(利下げ方向への転換)が遅れた局面と似ている。当時は、ハト派(利下げに前向き)に傾いたポジションの解消が進み、その後数週間で市場が大きく調整した。重要な教訓は、FRBのタカ派反応に逆らう取引は不利になりやすいという点だ。