ポーランド中央銀行に当たるポーランド国立銀行(NBP)は、政策金利を3.75%で据え置いた。市場では2026年まで追加の利上げ・利下げはないとの見方が織り込まれている。
NBPのアダム・グラピンスキ総裁は記者会見を行う予定。発言が非常に「タカ派」(インフレ抑制を優先し、利上げに前向きな姿勢)に傾くかが焦点となっている。
Markets Focus On Glapinski Tone
EUR/PLN(ユーロ/ズロチ)は中東情勢を受けた一時的な上昇(ズロチ安)を打ち消し、4.22近辺へじりじりと低下(ズロチ高方向)している。ポーランド国債は紛争前の水準をなお上回り、10年物ポーランド国債利回り(長期金利を示す指標)は、紛争前の4.92%に比べて約65bp(ベーシスポイント=金利の0.01%)高い状態が続く。
NBPは政策金利を3.75%で維持しており、2026年末まで変更する理由は乏しいとみられる。インフレ率は2026年4月に3.1%へ鈍化しており、中央銀行の目標レンジをわずかに上回る程度にとどまるため、据え置きは妥当といえる。この「先が読める」金利環境は、今後数週間の市場変動(ボラティリティ)要因の1つを減らす。
金利の安定はズロチを下支えし、EUR/PLNは4.22付近へ静かに向かっている。中東情勢による上振れは完全に戻しており、通貨の底堅さが示された。これは、EUR/PLNの変動を見込んだ取引(ボラティリティ取引)で「変動が小さい」とみて収益機会を狙う戦略が成り立ち得ることを示唆する。なおキャリートレード(低金利通貨で資金を調達し、高金利通貨で運用して金利差を得る取引)は、中央銀行が落ち着いている局面では魅力が残る。
Polish Bond Market Risk Premium
一方、ポーランド国債市場にはなお緊張が残る。10年物国債利回りはおおむね5.57%に張り付いたままで、紛争前の4.92%を65bp上回る。これは、為替市場が落ち着きを取り戻す一方で、債券投資家が依然として大きなリスク上乗せ分(リスクプレミアム=不確実性への対価として要求される追加利回り)を織り込んでいることを意味する。
2025年時点を振り返ると、ウクライナ戦争を背景に市場が動揺した後でも、ズロチは地政学リスクからの回復力を示してきた。債券市場の反応は遅れており、安定が続けばこの利回り格差は縮小するとみられる。そのため、ポーランド国債利回りの低下を見込むポジションは相対的に妙味がある。具体的には、金利スワップ(固定金利と変動金利を交換し、金利変動リスクを移転・取引する契約)や国債先物(将来の一定期日に国債を売買する契約)を使った取引が選択肢となる。