GBP/JPYは木曜、212.50近辺でほぼ横ばいだった。市場では、日本の財務省(MOF)が円買い介入(為替市場で円高方向に動かすための当局の売買)に動くリスクを意識し、円売りに慎重姿勢が広がった。一方、英国の地方選の結果をめぐる不透明感がポンドの買いを抑えた。
相場は週間レンジ(1週間の値動きの範囲)210.50〜214.20の中間で推移した。先週は216.60の高値から下落。東京市場で円を支える介入が入った可能性が意識され、その後も今週にかけて下支えが続いたとの見方がある。
日本の介入リスク
MOFの高山さつき氏は、投機的な動き(短期の利益を狙った売買)に対して「断固たる措置」を取る用意があると改めて述べた。日本の通貨外交の責任者である三村淳氏は、MOFには介入の回数に制限がなく、米国当局と日々連絡を取っているとした。
英国では、有権者が136の地方自治体の選挙に加え、スコットランドとウェールズの議会を選んだ。結果は与党・労働党に逆風になるとみられ、政治的な緊張が高まり、財政(政府の歳入・歳出)リスクへの注目が再び強まる可能性がある。
2026-05-07T10:58:31.234Z
GBP/JPYは218.00に近づいており、警戒が必要な水準だ。昨年の急激な変動を想起させる。最大のリスクは、日本当局が自国通貨を押し上げるために、突然かつ強力な介入を行うことだ。
ボラティリティ(価格変動)を使う戦略
2025年5月のこの時期を振り返ると、相場は212.50近辺で推移していたが、介入とみられる動きで216.60付近の高値から押し下げられた。当時も英国の地方選をめぐる不透明感がポンドの重しとなり、上にも下にも振れやすい相場となって方向感が出にくかった。
足元では、MOFの警告はより重みを増している。日銀の利上げ(政策金利を引き上げること)が小幅にとどまり、他の主要中央銀行との金利差が大きいままだからだ。加えて、日本当局は2024年春の数週間で過去最大の9.8兆円を介入に投じた。必要と判断すれば実行する意思と資金力があることを示している。
英国側では、2025年の地方選での与党労働党の後退以降、政治情勢は不安定だ。今後1年以内に総選挙が見込まれ、近時のインフレ率(物価上昇率)は2.5%前後と下振れしやすい水準にある。ポンドは政治の不安定化の兆しに敏感で、円の動きと無関係に急落するリスクがある。
このように相反するリスクが並ぶため、特定の方向に賭けるより、大きな値動きで利益を狙う戦略が選択肢となる。オプション(将来の売買価格を決める権利)でボラティリティを買うのが合理的だ。過去の傾向から、この通貨ペアではいずれ大きな変動が起きやすい。
具体策としては、満期が2〜3カ月のロング・ストラドル(同じ行使価格のコールとプットを同時に買う)やストラングル(異なる行使価格のコールとプットを同時に買う)が考えられる。いずれの方向に大きく振れても利益が出やすく、日銀介入や英国政治のショックのタイミングを当てる必要を減らせる。