スウェーデンの中央銀行リクスバンクは、政策金利を1.75%で据え置き、必要なら利上げ(政策金利を引き上げること)もあり得るとの姿勢を改めて示す見通しだ。背景には、イラン紛争とエネルギー価格の急騰(エネルギーショック)が、スウェーデンの景気見通しを下押ししていることがある。
ここ数週間で消費者・企業の景況感は低下した。一方、実体経済はこれまでのところ底堅い。ドイツ景気の減速や地政学リスクの拡大も、先行きに影響している。
Riksbank Policy Outlook
リクスバンクは3月、金利は年末まで据え置く方針を示した。エネルギーショックを受け、2026年のインフレ見通し(物価上昇率の予測)を引き上げたが、2%のインフレ目標を下回った。
リクスバンクはこの姿勢を維持し、イラン紛争の展開に応じた複数のシナリオ(想定される結果)を示すとみられる。明確な約束は避けつつ、政策金利を調整できる柔軟性を保つ可能性が高い。
市場では、2026年後半に利上げが実施される可能性が織り込まれている。こうした見方は、スウェーデンクローナ(SEK)には強気すぎると受け止められている。
Trading Implications For The Krona
中銀には様子見の余地がある。4月のCPIF(持ち家の住宅ローン金利の影響を除いた消費者物価指数)上昇率は1.4%にとどまり、2%目標から大きく離れているためだ。最新の景気動向指数(Economic Tendency Indicator)は92.5まで低下し、企業・消費者の景況感悪化を裏付けた。これらは、イラン紛争に伴うエネルギーショックと、ドイツの景気減速を反映している。ドイツは2026年1-3月期GDP(国内総生産、経済規模を示す指標)の伸びが0.1%へ下方修正された。
ここから、スウェーデンクローナは下押しされやすい。足元の強さの一部は、利上げ期待に支えられているためだ。今後数週間は、ユーロやドルに対するSEK下落に備える手段として、オプション(将来の売買価格をあらかじめ決める権利)を使ったポジション構築が有効とみる。市場の金利見通しが下方に修正されれば利益機会となる一方、損失を限定しやすい。