米国の新築住宅販売戸数は2月に63.5万戸となり、前月の58.7万戸から増加した。
前月比では4.8万戸の増加となる。
住宅市場の勢いと個人消費の手がかり
2月の新築住宅販売は市場予想を上回り、年初の住宅市場に底堅さがあることを示した。現在は5月上旬で、重要な春の販売シーズンにこの勢いが続いたかが注目点だ。この統計は数カ月前のものだが、個人消費(家計の支出)の健全性を測る基準になる。
住宅市場の底堅さに加え、直近の4月雇用統計では就業者数が21万人増と力強い内容だったため、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利運営は判断が難しくなる。市場では、SOFR(担保付き翌日物調達金利という、短期金利の代表)の先物価格から、夏場にかけてFRBが政策金利を据え置く見方へと織り込みが進んだ。したがって、金利が高い水準で長く続く局面で利益を狙える取引、例えば米国債先物のプット(下落時に利益が出やすいオプション)を検討したい。
株式では、住宅建設関連のETF(上場投資信託)であるSPDR S&PホームビルダーETF(XHB)のオプションが対象になる。住宅ローン金利が一時6.5%を下回った時期にこのセクターが上昇したことを踏まえると、購入需要が持続する兆しが出れば再び関心が高まる可能性がある。これに備える手段として、当該ETFや主要構成銘柄のコール(上昇時に利益が出やすいオプション)を用いる方法がある。
波及効果は素材関連にも及ぶ。新築には原材料が必要で、木材先物はこの1カ月で5%上昇しており、建設活動の増加を見込む動きがうかがえる。住宅建設の持ち直しが追い風になりやすい銅先物や産業用金属ETFに対するコールも選択肢となる。
一方、金利の影響を受けやすい商業用不動産やREIT(不動産投資信託)には慎重姿勢を維持したい。FRBの利下げが遅れると、これらの資金調達コストは重くなり、分配金利回り(投資額に対する分配金の割合)の魅力も相対的に薄れやすい。2026年の利下げ見通しが市場から後退する場合に備え、幅広いREIT指数のプットはヘッジ(損失を抑える手段)として有効になり得る。