要点
- スポット金は前日比0.5%高の1オンス=4,541.83ドルとなり、XAU/USDは4,544.44で推移し、21.30ポイント高(+0.47%)でした。
- ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントは、FRBが金利を据え置いても将来の緩和を示唆するガイダンスが維持される限り、金は底堅く推移し得るとしていました。
- 原油が1バレル=100ドルを「新常態」として定着した場合、金の1トロイオンス=5,000ドルへの上昇余地を抑える可能性がありました。
金は直近の調整後にサポートの再構築を試みており、スポット金は前日比0.5%高の1オンス=4,541.83ドルでした。日足ではXAU/USDが4,544.44で推移し、21.30ポイント高(+0.47%)となり、日中高値は4,544.51、安値は4,513.56でした。
この動きは金の買い手が依然として存在していることを示していましたが、強い勢いで高値を追う局面でもありませんでした。価格は短期移動平均線を下回っており、反発の脆さが意識されていました。
トレーダーは、FRB、米ドル、原油価格からより明確なシグナルが出るまで、ポジションを大きく傾けにくい状況でした。
FRBガイダンスが金相場の主因であり続けていました
金が上昇するために目先の利下げは必須ではありませんでした。市場が「利下げはなお将来に控えている」と信じることが必要であり、この点が足元の取引の要諦でした。
市場関係者は、FRBが政策金利を据え置いても、市場のコンセンサスとFRBのフォワードガイダンスが将来の緩和を示す限り、金は底堅く推移し得るとしていました。次回決定そのものよりも、声明や見通しにおける将来の文言が焦点となっていました。
当局者が忍耐強い姿勢を示しつつも利下げの可能性を残すなら、金はサポートを維持し得ました。一方、より長期にわたるタカ派姿勢が強調された場合、金には改めて下押し圧力がかかり得ました。
市場全体では、インフレ環境が厳しいとの見方がなお織り込まれていました。ロイターによれば、世界的なエネルギーショックがインフレ圧力を加えたことで、市場はFRBが年内に政策金利を据え置くとの見方を強めていました。原油が1バレル=100ドルを上回る水準で推移するなか、スポット金も直近レンジ内での値動きとなっていました。
原油100ドル超が強気シナリオの上値余地を抑えていました
金にとって原油が課題でした。インフレヘッジとしての物語を支える一方で、FRBをより慎重にさせる要因にもなっていました。原油が1バレル=100ドルで定着する場合、ステート・ストリートは、金の1トロイオンス=5,000ドルに向けたモメンタムを抑える可能性があるとしていました。
理屈は明確でした。原油高は輸送・海運・生産コストを押し上げ、インフレ率を押し上げる一方で実質利回りを底堅くさせ得ました。金は利息を生まないため、実質金利が高い局面では保有の機会費用が上昇し、相対的に不利となっていました。
ステート・ストリートはまた、和平合意とホルムズ海峡の再開により原油が1バレル=80ドル方向へ下落する場合、金は1オンス=5,000ドルを上抜け、やがて5,500ドルの再試しもあり得るとしていました。これに対し、原油が120〜140ドルのレンジで推移する場合、FRBの緩和が遅れ、引き締め的な政策期待が支えられることで、短期的には金の逆風になりやすいとしていました。
和平合意はリスクが双方向でした
和平合意は金にとって次の大きな材料になり得ました。合意により原油が下落し、米ドルが軟化するなら、金は上昇モメンタムを取り戻し得ました。このため、市場はホルムズ海峡、米・イラン協議、エネルギー供給動向を注視していました。
ロイターによれば、アジア株は下落し、原油は下げたものの1バレル=100ドルを大きく上回る水準を維持していました。米国とイランが停戦に向けた作業を続ける一方で、ホルムズ海峡を巡って応酬が続いていたためでした。ブレント原油は0.5%安の1バレル=113.85ドル、WTI原油は前日の急伸後に1.3%安の105.03ドルでした。
この組み合わせにより、金は持ち合い色を強めていました。信頼に足る和平合意はドル安と利下げ織り込みの復活を通じて金を押し上げ得ましたが、合意が不調に終われば原油高が続き、インフレリスクが高まり、安全資産需要が続いても金の上昇ペースは鈍り得ました。
テクニカル分析でした
XAUUSDは4544近辺で推移し、4098の安値からの直近反発を維持できなかった後、短期レンジの下限側へじり安となる中で、緩やかな保ち合い局面でした。全体の形状としては、4月中旬高値からの上値抑制を受けて勢いが低下し、売り手が徐々に主導権を取り戻している状況でした。
テクニカル面では、モメンタムは短期的に弱含みでした。価格は5日移動平均(4568.60)および10日移動平均(4625.88)を下回って推移し、いずれも下向きで目先のレジスタンスとして機能していました。20日移動平均(4701.35)は現値を大きく上回っており、戻り基調が一巡し、相場が再び圧力下にあることを示唆していました。
注目すべき水準は以下の通りでした。
- サポート:4510 → 4410 → 4098
- レジスタンス:4568 → 4625 → 4700
足元では、下落基調を受けて検証されつつある4510のサポートゾーンのすぐ上で推移していました。この水準を割り込めば、4410への下押しが開け、売りの勢いが加速する場合は4098の安値まで下値リスクが拡大し得ました。
上方向では、短期のトレンドレジスタンスに重なる4568が最初の関門でした。このゾーンを上回って推移することが値動きの安定には必要でしたが、より明確なモメンタム転換には4625〜4700の回復が求められそうでした。
総じて金は上昇モメンタムを失い、調整局面へ回帰しており、サポート近辺で値幅が収れんしていました。次の動きは、4510が維持されるか、あるいは割り込んで一段安となるかに左右されやすい局面でした。
慎重な見通しでした
XAU/USDが4,568.60および4,625.88を下回って推移する限り、金の短期見通しは強弱が拮抗していました。4,568.60を終値で上回れば買い方の安定に寄与し得ましたが、より明確な強気の構造を再構築するには4,701.35を上回る展開が必要でした。
強気シナリオは、①原油安、②ドル高圧力の後退、③将来の緩和をより明確に示すFRBガイダンス、という3つのトリガーに依存していました。弱気シナリオは、原油が100ドル近辺またはそれ以上で推移し、FRBがよりタカ派に傾き、XAU/USDが4,513.56を割り込む場合に強まり得ました。
トレーダーの質問でした
なぜ本日、金は上昇しているのでしょうか。
本日、金が上昇している背景には、FRBが当面は金利を据え置いたとしても、市場が将来のFRB緩和をなお想定していることがありました。スポット金は前日比0.5%高の1オンス=4,541.83ドルとなり、XAU/USDは4,544.44で推移し、21.30ポイント高(+0.47%)でした。
現在のXAU/USD価格はいくらでしょうか。
XAU/USDは4,544.44で推移し、21.30ポイント高(+0.47%)でした。日中高値は4,544.51、安値は4,513.56で、始値は4,523.87、終値は4,523.14でした。
なぜFRBのガイダンスが金にとって重要なのでしょうか。
FRBのガイダンスが金にとって重要なのは、利下げ期待と米ドルの方向性を形成するためでした。FRBが政策金利を据え置いても、フォワードガイダンスが将来の緩和を示すなら、金は底堅く推移し得ました。
FRBが将来の利下げを示唆すれば、米ドルが軟化し、金への買いが入りやすくなり得ました。一方、FRBがよりタカ派に転じれば、金には下押し圧力がかかり得ました。
FRBが利下げしなくても金は上昇できるのでしょうか。
FRBが直ちに利下げしなくても、市場が利下げがなお将来に控えているとみる限り、金は上昇し得ました。ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントは、コンセンサスとFRBガイダンスが将来の緩和を示し続けるなら、金は底堅く推移し得るとしていました。
このため、トレーダーは次の政策判断と同程度に、FRBの文言を重視していました。
原油100ドルが金価格の上値を抑える可能性があるのはなぜでしょうか。
原油が1バレル=100ドルにあると、エネルギーコスト上昇によりインフレ圧力が高止まりしやすくなりました。インフレが粘着的であれば、FRBは利下げを先送りする、あるいは引き締め的なスタンスを維持する可能性がありました。
その結果、米ドルと実質利回りが支えられ、金の1トロイオンス=5,000ドルに向けたモメンタムが抑制され得ました。
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