中国は2021年制定の「反外国制裁法(ブロッキング法、外国の制裁に従わないよう求める法律)」を初めて正式に発動した。対象は、イラン産原油の取引に関与したとして米国が中国の製油所5社に科した最近の制裁措置だ。
この発動により、中国国内の企業や個人は、これら米制裁に従うことを禁じられる。つまり、「米国の制裁に従え」という要求と、「中国法に従え」という義務が正面から衝突する構図が生まれる。
米制裁に従う第三者(例:国際銀行、海運会社、取引仲介業者)は、中国側の規定に基づく法的リスク(訴訟、是正命令、損害賠償など)を負う可能性がある。これは、米国の「二次制裁(米国との取引を直接していない第三者にも、制裁対象との取引を理由に圧力をかける仕組み)」が市場参加者に与える影響を変えようとする狙いがある。
同法は、中国が「不当な域外適用(本来は国外に及ばないはずの国内法や制裁を、海外の企業・取引にまで適用すること)」とみなす制裁への協力を抑止するためのものだ。米国の制限に従うことが、常に「最もリスクが低い選択肢」とは限らないことを示唆している。
この動きは、習近平国家主席とドナルド・トランプ氏の首脳会談が予定される中で出てきた。記事は、同様の対立が続けば中国が追加措置に踏み切る可能性にも言及している。