金(XAU/USD)は週初から軟調に始まり、1カ月ぶりの安値圏で推移した。米国時間には4,520ドル前後と、日中で約2.0%下落した。
米国とイランの協議の先行き不透明感に加え、ホルムズ海峡を巡る動きで市場の緊張は続いた。アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ(Fujairah)では、イランから発射されたとされる無人機(ドローン)攻撃を受け、石油関連の工業施設で火災が報告された。
地政学リスクと海上輸送リスク
イランのファルス通信は、革命防衛隊(IRGC:イランの精鋭軍事組織)の停止警告を無視したとして、ジャースク(Jask)近海の米海軍艦艇にミサイル2発が命中したと報じた。一方、米当局者は米艦への被弾を否定したと、米メディアのAxiosが伝えた。
ドナルド・トランプ米大統領は、ホルムズ海峡で商船を護衛する「Project Freedom」を発表。テヘランは、米軍が水路に接近または進入しようとする場合、攻撃すると警告した。
原油は供給途絶リスクを背景に高値圏を維持し、インフレ(物価上昇)への警戒が強まった。これが米国債利回りを押し上げ、利息を生まない金(無利子資産)には逆風となった。
CMEのFedWatch(米連邦準備制度理事会=FRBの政策金利見通しを先物市場から推計する指標)では、FRBが年内は金利を据え置くとの見方が優勢で、来年以降の利上げが織り込まれた。2027年1月の利上げ確率は、1週間前のほぼ0%から22%へ上昇した。
テクニカル水準と注目ポイント
4時間足では、価格は20期間SMA(単純移動平均:過去一定期間の平均値を結んだ線)である4,590.71ドル近辺を下回って推移し、下側バンド(ボリンジャーバンドの下限=価格変動の目安となる帯域)の4,519.06ドルもわずかに下回った。RSI(14)(相対力指数:買われ過ぎ/売られ過ぎを示す指標)は33付近。上値抵抗は4,519.06ドル、4,590.71ドル、4,662.35ドル、4,850.00ドル、下値支持は4,400ドル近辺とみられる。