トルコの4月の月次インフレ率は4.1%となり、市場予想(3.2%)とING予想(2.9%)を上回った。消費者物価指数(CPI、一般的な物価の動きを示す指標)の前年比上昇率は、3月の30.9%から32.4%へ上昇した。
前年比32.4%は、トルコ中央銀行の目標(16%)を上回る。最新のインフレ報告書で示した予測レンジ(15〜21%)も超えた。
インフレ上振れの背景
食料、住居、交通が主な押し上げ要因となった。コアインフレ(食品・エネルギーなど変動が大きい項目を除いた物価)とサービスインフレ(外食、家賃、交通サービスなどサービス価格の上昇率)は高止まりした。
中央銀行が注視するトルコ統計局(TurkStat)の速報ベースの季節調整データ(季節要因をならして比較しやすくした統計)では、過去3カ月の移動平均(直近3カ月の平均で短期のブレをならす手法)のトレンドが、総合、コア、サービスの各指標で上昇した。インフレを下げるのが難しい状況が続いていることを示す。
世界的な商品市況(コモディティ価格)、とりわけ原油が、生産者物価(PPI、企業が出荷段階で受け取る価格で、先行指標になりやすい)の短期的リスクとされた。エネルギー価格の上昇、成長見通しの鈍化、ドル化リスク(国内通貨よりドルを保有・決済に使う動きが強まること)は、利下げ余地を狭める。
市場への影響
昨年指摘されたドル化リスクは顕在化し、リラに持続的な下押し圧力がかかっている。USD/TRY(米ドル/トルコリラ)は、この間に30近辺から40超へリラ安が進んだ。デリバティブ(先物・オプションなどの派生商品)ではリラ安継続を前提とした戦略が優勢となり得る。先物予約(フォワード、将来の為替レートをあらかじめ固定する契約)で、追加の下落に備えるヘッジ(損失を抑えるための取引)も選択肢となる。
世界の原油価格は引き続き主要リスクだ。北海ブレント(国際原油の代表指標)が1バレル95ドル前後で推移するなか、エネルギー輸入負担が財政・対外収支を圧迫する。これにより経常収支(貿易・サービス収支などを合計した対外取引の収支)の大幅改善は見込みにくく、リラ建て資産には弱気見通しを強めやすい。
VT Marketsのライブ口座を開設 し、取引を開始 する。