イラン政府高官がロイター通信に対し、米軍艦がホルムズ海峡に進入するのを阻止するため、イランが警告射撃を行ったと述べた。高官によると、被害の有無は不明だという。
イランのタスニム通信は匿名の情報筋を引用し、テヘランはあらゆる事態に備えていると報じた。同報道は、イランは米軍がホルムズ海峡を通過することを認めないとしている。
市場の反応とドル高
市場では、週明け月曜日の後半にかけて米ドルが主要通貨に対して底堅く推移した。報道時点でドル指数(米ドルの総合的な強さを示す指数)は0.2%高の98.40となった。
ホルムズ海峡(世界の原油輸送の要所で、通れなくなると供給が滞りやすい地点)をめぐる今回の直接的な脅威を受け、原油関連のデリバティブ(先物やオプションなど、価格変動を利用する金融商品)に注目が集まりやすい。世界の石油供給の約2割がこの海峡を通過するため、混乱が起きれば価格が急騰する可能性がある。すでに北海ブレント先物(国際指標となる原油先物)は7月限で4%超上昇し、1バレル92.50ドルとなっている。コールオプション(一定価格で買う権利)などは、情勢悪化時の上昇に備える手段になり得る。
地政学リスクの高まりは市場の不安を強めやすく、ボラティリティ(価格変動の大きさ)上昇を見込む戦略も意識される。VIX(S&P500の予想変動率を示す「恐怖指数」)はすでに22を上回り、2025年後半の銀行セクター懸念以来の水準となった。VIX先物やコールオプションは、株式市場全体の不透明感に対するヘッジ(損失回避策)として用いられることがある。
安全資産としての需要から米ドル買いも強まり、ドルの「有事の通貨」としての性格が改めて意識されている。ドル指数が99.00に近づく局面では、通貨オプション(為替の上げ下げに備える権利取引)を使い、ユーロや円に対するドル高を見込む動きが出やすい。ユーロ圏や日本は輸入原油への依存度が高く、過去の中東危機(2024年の緊張局面を含む)では同様の構図がみられた。