ギリシャのS&Pグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数:企業の購買担当者への調査をもとに、景気の拡大・縮小を示す指数)は4月に52.4となり、前月の54.5から低下した。
50を上回る水準は製造業の活動が拡大していることを示す一方、今回の低下は伸びが前回より鈍化したことを意味する。
Early Signs Of Slowing Growth
ギリシャの製造業は拡大を続けているが、減速の兆しが出ている。PMIが54.5から52.4へ下がったことは、勢いが弱まったことを示す。いま最も重要なのは、成長スピードが落ちた点だ。
2025年を通じて強い動きが続いたあとだけに、今回の鈍化は注目される。ギリシャは投資適格(信用格付けが一定水準以上で、機関投資家が投資しやすい状態)へ戻ったことで市場の注目を集めたが、欧州中央銀行(ECB)の高金利(政策金利が高い状態)が想定以上に景気の重荷になり始めた可能性がある。上昇しやすい局面はいったん止まりやすい。
Global X MSCI Greece ETF(GREK、ETF=上場投資信託:株式のように売買できる投資信託)は2025年夏以降で18%超上昇し、上がり過ぎとの見方も出やすい。今回の指標は、投資家が先行き成長を見直し、価格が調整(下落)に向かうきっかけになり得る。今後の決算が期待を下回れば、下げが速まる可能性がある。
対策として、GREKのアウト・オブ・ザ・マネーのプットオプション(現在価格より低い権利行使価格の売る権利。下落時に利益を狙う)を6月または7月期限で検討したい。インプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の値動きの大きさ)が過去12カ月の低水準付近にあり、オプションの保険料(プレミアム)が比較的安い。損失を限定しつつ、下落を狙える。
より慎重なら、同ETFでベア・コール・スプレッド(上の行使価格のコールを売り、さらに上の行使価格のコールを買う組み合わせ。横ばい〜緩やかな下落で利益を狙い、コストを抑える)も選択肢だ。急落よりも、相場がもみ合い(方向感が出ない状態)になる想定に適する。
Relative Value And Macro Catalysts
別案として、ペアトレード(2つの資産を同時に売買し、相対的な強弱で収益を狙う)もある。ドイツDAX指数先物(将来の指数水準で売買する契約)を買い、同時にアテネ総合指数先物を売る。これにより、欧州中心国に対するギリシャの出遅れを狙い、株式市場全体のムードの影響を受けにくくできる。2025年は不利だったが、状況は変わりつつある。
今後は、ギリシャのインフレ指標と、大手上場企業の先行き見通しに注目したい。インフレが高止まり(下がりにくい状態)し、企業の見通しが慎重なら、弱気の見方を裏付ける。次回のECB会合も、夏場の市場の方向感を左右する重要イベントとなる。