米ドルは月曜日、欧州時間を前に対円でやや持ち直し、156.80円近辺で取引された。ドル円(USD/JPY)はアジア時間に数分で約150pips下落し、一時155.70円近辺まで下げた後、157.00円方向へ反発した。
日本の財務省はコメントしなかったが、今回の動きは明確な材料が見当たらず、複数の円クロス(円が絡む通貨ペア)でも同様の値動きがみられた。ロイターは先週金曜日、日銀が先週、円を下支えする目的で最大5.48兆円(約350億ドル)を投じた可能性があると報じた。
円の変動が再び拡大
ドル円が160.00円を上回った後、日本の片山さつき財務相は、通貨の投機(短期的な売買で利益を狙う取引)に対して断固たる対応を取る用意があると述べた。円はこの水準を超えて以降、急な値動きが何度も起きている。
市場全体は落ち着いているが、ドナルド・トランプ米大統領がホルムズ海峡(中東の重要な海上輸送路)で足止めされた船舶を解放すると発言したことを受け、中東情勢に関心が集まった。イラン当局は、この海峡は閉鎖されたままだと述べた。
日本はゴールデンウィークで主要経済指標の発表がない。米国では月曜日に製造業受注(工場の受注動向を示す統計)、火曜日にISM非製造業PMI(サービス業の景況感指数:50超で拡大、50未満で悪化)が予定され、金曜日には雇用統計の一つである非農業部門雇用者数(NFP:農業以外の就業者増減を示す重要指標)が公表される。
オプション市場が警戒感を示す
ドル円オプションのインプライド・ボラティリティ(市場が織り込む将来の価格変動の大きさ)が急上昇し、1カ月物の指標は13.5%を上回った。これは2025年初の銀行不安(金融機関の信用不安で市場が荒れた局面)以来の水準だ。値動き拡大が見込まれる分、オプション・プレミアム(オプションの価格、保険料のようなもの)は高くなりやすい。
介入(当局が為替市場で売買して相場に影響を与えること)を見込む場合、円コール(円高で利益が出やすい権利)やドルプット(ドル安で利益が出やすい権利)を買う戦略は、損失が支払ったプレミアムに限定される(リスクが限定される)ため、有力な手段となる。2024年の局面では、数時間で数百pips下落した例があり、同様の急落が起きれば収益機会になり得る。プレミアムが高いのはその可能性を反映している。
一方で、日米の金利差(政策金利の差)は依然としてドルを支えやすい。米連邦準備制度理事会(FRB)が4.75%、日銀が0.25%という水準にあり、金利差は大きい。金曜日の米雇用関連指標でも、雇用者数が市場予想を上回る21.5万人増となり、ドルの底堅さを意識させた。この流れが続くなら、介入でドル円が下押ししても「押し目」と見なされやすい。
こうした綱引きの環境下で、オプションを売ってプレミアムを受け取る戦略は危険が大きい。介入による急変で、ショート・ベガ(ボラティリティ低下で利益、上昇で損失)やショート・ガンマ(小動きで利益、急変で損失)のポジションは損失が膨らみかねない。ロング・ストラドル(同じ権利行使価格のコールとプットを同時に買う)やロング・ストラングル(異なる権利行使価格のコールとプットを同時に買う)のように、どちら方向でも大きく動けば利益になりやすい戦略が相対的に適している。
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