ブレント原油は、ホルムズ海峡をめぐる懸念再燃で一時1バレル=126米ドルを上回ったものの、2025年12月以来の大きな月間下落率を記録した。背景には、米国とイランの協議が停滞し、海峡の通航再開(航行の安全確保)への不透明感が強まったことがある。
原油は週間で2週連続の上昇となった。地政学リスクと米国の強硬姿勢が相場を下支えした。ドナルド・トランプ米大統領は、イランの港湾に対する海上封鎖(海軍による出入りの制限)を継続すると述べた。
地政学リスクで急騰も、ブレントは下落で終了
直近限月(最も近い受渡月)のブレント原油は4月30日、米英以外の一部先進国市場が労働者の日で休場となる前に、1バレル=114米ドルで取引を終えた。前日比3.4%安。
WTI原油は1バレル=106米ドル近辺で推移し、週間で12%高。ブレントも4月は、2025年12月以来の月間下落率となった。
足元の原油相場は値動きが極端に大きい(ボラティリティが高い)。ボラティリティは価格の振れ幅の大きさを示す。ブレントは一時126ドルを超えたが、月間では大きく下落しており、ニュースで動いても影響が短時間で薄れる局面がある。方向性を当てるより、値動きの大きさで収益を狙う戦略の検討余地がある。
注目はブレントとWTIの価格差拡大。米エネルギー情報局(EIA:米国の政府統計機関)の最新データでは、オクラホマ州クッシングの貯蔵拠点で在庫が310万バレル減(予想外の減少)となった。これがWTIの強さの理由とみられる。米国の需給要因と、国際的な地政学リスクのズレは、ブレント-WTIのスプレッド(2つの価格差)取引で直接表現できる。
オプションでボラティリティを取りにいく
今後数週間は、オプションでボラティリティを買う戦略が意識される。オプションは、将来の売買を選べる権利で、急変動への備えや値動きからの収益狙いに使われる。米・イラン協議の停滞と海上封鎖を踏まえると、ブレント先物でストラドル(同じ権利行使価格のコールとプットを同時に買う)やストラングル(異なる権利行使価格のコールとプットを買う)が有効になり得る。どちらも上下どちらかに大きく動けば利益になりやすい。インプライド・ボラティリティ(オプション価格から逆算される市場の予想変動率)は45%超に上昇し、2022年の供給ショック以来の水準で、市場が大きな材料を警戒していることを示す。
一方、需要減速の兆しにも注意が必要だ。中国の製造業PMI(購買担当者景気指数。50を下回ると景況感の悪化を示す)は49.8となり、小幅な縮小を示唆した。地政学不安と、脆弱な世界景気がぶつかる構図であり、直近の急騰があってもブレントが月間で弱かった理由として意識される。
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