オーストラリアのS&Pグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数:企業の購買担当者への調査から景気の強弱を示す指標)は4月に51.3となり、前月の51から上昇した。
50を上回ると製造業の活動が拡大、50を下回ると縮小を示す。
豪州の成長シグナル
4月の製造業PMIは2カ月連続で拡大を示し、豪州景気が底堅さを増していることを示唆する。2025年末に市場が織り込んでいた慎重な見通しに対し、内需(国内での需要)が想定以上に粘り強い可能性がある。
この統計は豪ドルの支援材料となる。豪ドル/米ドル(AUD/USD)のコールオプション(将来、あらかじめ決めた価格で買う権利)の買いを検討したい。豪州準備銀行(RBA:オーストラリアの中央銀行)の近い将来の利下げ観測が後ろ倒しになりやすい。昨年の豪ドルは値動きが不安定だったが、今回は上昇の根拠になり得る。
株式では、豪州株価指数ASX200に前向きな材料となり、特に資本財・素材関連株に追い風が見込まれる。直近の報道では鉄鉱石価格が1トン当たり120ドル超で下支えされており、製造業の強さは需要の維持を示す。指数先物(株価指数を対象に将来の売買価格を決める取引)で買い持ち(ロング)を増やす選択肢がある。
このPMIに加え、最新の四半期インフレ率が3.1%と高止まり(低下が進みにくい状態)したことで、RBAが政策金利を据え置く公算が大きい。RBAは2025年の利上げ後もインフレへの警戒を続けており、今回のデータは姿勢を緩める理由になりにくい。債券先物(国債などを対象に将来の売買を約束する取引)は売りを検討し、利回り(債券の収益率)の上昇を見込む。
こうした環境では、2025年末に有効だった守りの運用から、より積極的な配分への見直しを検討したい。為替市場のインプライド・ボラティリティ(オプション価格から読み取れる将来の値動き予想)が低下すれば、アウト・オブ・ザ・マネー(行使価格が現行相場から離れている)豪ドル・プット(売る権利)を売る戦略は、リスクと見返りのバランスが改善する可能性がある。全体としては、豪州経済が市場予想を上回る局面を想定したポジショニングが選択肢となる。