米住宅着工件数は2月に前月比10.8%増となり、前回の7.2%増から伸びが拡大した。
この変化により、2月の伸び率は前回の数値を3.6ポイント上回った。
住宅着工の予想上振れとFRBへの示唆
2月の住宅着工は市場予想を大きく上回り、10.8%増と強い結果だった。これは景気が想定以上に強い(需要が底堅い)可能性を示し、物価上昇(インフレ)への警戒を再燃させ得る。米連邦準備制度理事会(FRB)が近い時期に利下げ(政策金利の引き下げ)に動きにくくなる要因となる。
そのため、「高金利が長く続く(高金利長期化)」との見方が強まりやすい。実際、長期金利の代表指標である米10年国債利回りはこのところ4.7%近辺へ上昇している。金利上昇局面に備えるなら、米国債先物(国債の価格変動に連動する取引)を売る、または債券ETF(債券に投資する上場投資信託)のプットオプション(あらかじめ決めた価格で売る権利)を買うといった手段が考えられる。2月の統計は発表時点で過去のデータだが、景気の底堅さを裏付ける材料になりやすい。
一方で、この状況は株式市場にとって追い風と向かい風が同時に働き、相場が方向感を欠きやすい(値動きが荒くなりやすい)。こうした不安定さに備えるなら、ボラティリティ(価格変動の大きさ)の上昇で利益を狙う選択肢がある。例えばVIX指数(米株の先行き不安を示す「恐怖指数」)のコールオプション(あらかじめ決めた価格で買う権利)などが挙げられる。
また、この材料の恩恵を受けやすい住宅建設(ホームビルダー)や建材セクターにも注目したい。ホームビルダーETF(住宅建設関連株に投資するETF)のコールオプションは買いが入りやすくなる可能性がある。さらに、木材や銅を供給する企業にも波及し得る。需要が想定より強いことを示唆するためだ。
ドル高とポジショニング
米景気が強く、金利が高い局面では、一般に米ドル高(ドルの価値が上がる)になりやすい。今回の統計は、年初来で通貨バスケットに対して4%以上上昇しているドルの強さを補強する材料となる。ドル先物(ドルの価格に連動する先物取引)で買い持ち(ロング)を取る、またはドル指数ETF(ドルの強さを示す指数に連動するETF)のコールオプションを買うといった方法が考えられる。